米俳優ウィル・スミス(53)が1日(日本時間2日)米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーの会員を辞任すると発表した。3月27日に米ロサンゼルスで開催された授賞式で、脱毛症に苦しむ妻のジェイダ・ピンケット・スミス(50)をネタにしたコメディアンのクリス・ロック(57)に右手でビンタを張り、世界中で論議を呼ぶ騒動に発展。代理人を通じ「他の候補者や受賞者が彼らの類稀な仕事を祝い、たたえられる機会を奪った」との理由含め声明を説明した。

スミスは3月29日に映画芸術科学アカデミーのデビッド・ルービン会長とドーン・ハドソン最高経営責任者とオンラインで6分、会談した際も謝罪したという。アカデミーは行動規約違反として懲戒手続きを始め資格停止や除名などの処分が下される可能性が高い。

スミスは、自らの行為を「衝撃を与え、悲惨で許しがたいもの。アカデミーの信頼を裏切った」と反省の弁を述べ、理事会が適切だと考えるいかなる結果も受け入れると表明。ただ、ビンタ後に、映画「ドリームプラン」で受賞した主演男優賞の返上は言及していない。次回の理事会は15日を予定している。(ロサンゼルス=千歳香奈通信員子)