嵐の相葉雅紀(39)が4日、東京・新国立劇場中劇場で、12年ぶりの主演舞台「ようこそ、ミナト先生」の初日を迎えた。ファンの前で演技やパフォーマンスを披露するのは、19年末に嵐として出演した「ジャニーズカウントダウンライブ」以来。映画の舞台あいさつなどのイベントをのぞけば2年半ぶりで、20年末の嵐活動休止後初めてとなる。

初日開演前取材に応じ、「ずっとやりたいと思っていた舞台を、こんなすてきな皆さんに囲まれてできることを幸せに思いながら。毎日吸収できることを吸収しようと思ってずっとこの1カ月稽古してきて、ようやくこの日がやってきました」と笑顔。「精いっぱいやるのはもちろんなんですけど、僕個人的にも、お客さまの前に立つってことがすごく久しぶりなので。無観客の状態とかが多かったので。ちょっと緊張はしているんですけど、頑張りたいです」と意気込んだ。

劇中では、ある山あいの町に1年前に観光客として訪れ、現在は非常勤の教師として町の中心人物となりつつある男、湊孝成(みなと・たかなり)を演じる。高齢化社会や過疎化などの問題に日々奔走しているが、実はある秘密を抱えているという役どころだ。町や人生の“再生”をテーマにした心温まる物語を描く。

脚本の金子ありさ氏と演出の宮田慶子氏は、10年上演の相葉の主演舞台「君と見る千の夢」も担当しており、12年ぶりにタッグを組む。宮田氏は「相葉さんはこの12年間、ものすごい経験して、すてきな大人の男性になられて、中身が充実なさった。すごくハードルが高い役で、真摯(しんし)に受け止めて、向き合わないといけない役。大人になっただけに難しく、大変だと思う。ぜひ頑張ってほしいと思いながらしごいていました」と明かした。金子氏は相葉の存在について「リアリティーとファンタジーの融合」と表現した。

相葉は「稽古は正直、つらかったです。愛のあるしごきを受けていました」と振り返って苦笑いしたが、「体1つでの勝負になってくるので、本当に厳しいし甘くない場所なんですけど、その分吸収しようという思いでやってきました。全力でみんなで作ってきた舞台なので、ぜひ劇場に来てください。頑張ります」と誓った。

東京公演は今月19日まで。29日から7月3日まで大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演する。松平健、秋元才加、忍成修吾らも出演する。