日本テレビの岩田絵里奈アナウンサー(26)をインタビューした。

18年の入社1年目から「世界まる見え! テレビ特捜部」のMCに抜てきされ、昨春からは朝の帯番組「スッキリ」のサブMCにも就任。順調なキャリアを歩みつつある印象だが、実は当初考えていた進路は米国の金融界。運命を変えたのは、当時の先輩の一言だった。

高校時代までは父と同じ医者を目指して勉強に励んでいたが、理科に苦しんだことと「血が苦手」だったことで諦め、高校3年で理系から文転。その後は米国で金融の仕事をしている姉の姿に憧れていたという。大学3年時には米国の大学の試験も受け、同年秋からの入学も内定。当時通っていた慶大に休学届も提出して準備を進めていた。

そんな矢先だった。中学、高校、大学が同じで一学年上の先輩に「アナウンサー向いていると思うから受けてみれば」と勧められた。渡米直前の夏休み。試しに行ったアナウンサーのインターンで仕事内容などを知った。

岩田アナは「すてきなお仕事だなと。楽しそうだなと思って。本当に全部手続きを終えていたので、そこから急いで休学届を取り消しました」。米国行きを寸前で取りやめた、人生のターニングポイント。「結構、奇跡的なタイミングでしたね。あれがなかったら受けていなくて、金融の世界を目指していたと思います。人生って本当にわからないですよね」。

3人姉妹の次女。名前の「絵里奈」の由来は父が大ファンのサザンオールスターズの名曲「いとしのエリー」から名付けられた。愛着もあるが、少し不満もあるようで、「父親は『栞のテーマ』が一番好きなんですけどね。『いとしのエリー』は10番目に好きで、特に思い入れはないみたいですけど」と笑う。

長女は「れな」、三女は「まりな」。姉妹は全員「な」がつく名前。「多分、『エリー』がそれに当てはまったんじゃないですかね。『しおりな』とかだとちょっとあれなので。でも、姉と妹はサザンオールスターズさんに関係ない。漢字も『えりな』の『え』は『恵』が多かったりしますけど、父に漢字の由来を聞いたら、『たまたまそのへんに美術館があって、それで』って。本当にやばいんですよ」。言いたいことは尽きない様子だった。

そんな中でひそかな目標もある。「いつかサザンオールスターズさんに会える日がきたら、それを言いたいなと思っています。音楽番組とかも全然やったことないので、いつになるかわからないですけどね」。

岩田アナと言えば自身の歌唱力にコンプレックスがあり、「スッキリ」内の企画で歌の猛特訓に励んだこともある。「本当に音痴で、全国に晒(さら)してしまった」と振り返るが、一生懸命に取り組む姿に「勇気をもらえました」などと声をかけられることも増えたという。

サザンへの近道は、やはり歌か。その方法を振ると「それはもう…。私はマイクを置きました」と渋い表情。何はともあれ、米国の金融界から一転して飛び込んだアナウンサーの世界。いつか岩田アナとサザンオールスターズの共演が実現することを心から願っている。【松尾幸之介】

◆岩田絵里奈(いわた・えりな)1995年(平7)8月30日、東京都出身。18年日本テレビ入社。同年秋から「世界まる見え!テレビ特捜部」のMCに抜てき。「シューイチ」出演などを経て、20年から「沸騰ワード10」の進行、21年から「スッキリ」サブMCにも就任。座右の銘は「なんとかなる」。大の牛乳好き。163センチ。血液型A。