第70回サンセバスチャン映画祭(スペイン)授賞式が24日(日本時間25日)行われ、川村元気監督(43)が初監督作「百花」(公開中)で日本人初の監督賞を受賞した。

配給の東宝のプロデューサーとして映画を製作する一方、小説家と脚本家の顔も持ち、自らの体験を元に19年に発表し、25万部超のベストセラーとなった4作目の小説を、脚本も手掛けて映画化。カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界3大映画祭に次ぐ重要な映画祭として知られる同映画祭で、快挙を達成した。

川村監督はスピーチで「デビュー作なんで、いいニュースもないだろうと思い込んで(近隣の)ビルバオに移動してグッゲンハイム美術館を観光して」と受賞が想定外だったと語った。その上で「バルに入ってチャコリ(地元のワイン)を飲みながらハムを食べていたところ電話がかかってきてチャコリを噴き出しそうになりました」と笑った。

主演の菅田将暉(29)は「うれしいご褒美。この瞬間を忘れずに生きたいですね」、原田美枝子(63)は「世界中の人が作品を楽しみにする監督になるでしょう! 一緒に仕事を出来たこと、誇りに思います!」などと祝福した。