歌手の花耶(かや=21)が28日、東京・渋谷区のライブハウス、晴れたら空に豆まいてで初のワンマンライブを行った。

昨年1月にデビューし、26日に1周年を迎えたばかり。昨年12月発売の初アルバム「Bouquet」(ブーケ)を引っさげたライブでもあり、生バンドの音色に合わせてデビュー曲「白馬の王子と薔薇色の私」など12曲を熱唱した。

花耶は「ようやくファーストワンマンができることをとても楽しみにしていました。生演奏でフルで歌わせていただくのも初めてです。ぜひ楽しんでいってください」とあいさつ。チケット完売の約120人の観客からは大きな拍手が送られた。

MCでは「お客さんとの距離を縮めたい」と企画した、埼玉のラジオ局、FM NACK5のレギュラー番組「花耶の耳たぶ」(土曜午前5時20分)のスピンオフコーナーも実施し、事前に募集したファンの悩みに答えた。偏食が治らないとしたファンには「私も偏食ですが、健康には問題ないので」とし「好きだなと思ったものがあれば、栄養をとりながら食べれば大丈夫です!」と元気に回答。 ファンの名称をつけてほしいとする声には「考えるので今日は答えられないですけど、確かにいつか、今だ!って思った時に名称をつけたいと思います!」と宣言した。

ファンとの交流をはかる企画は続き、途中ではじゃんけん大会も実施。勝利したファン1人に、実際に花耶が地元山梨県の甲府駅前の商店街で購入してきたクマのぬいぐるみをプレゼントした。

ライブ終盤にはピアノを使った初の弾き語りも披露した。高校時代に出場した「NHKのど自慢」で歌っていた、デビューのきっかけにもなった絢香の「みんな空の下」に続き、昨年の音楽イベントで披露した未リリースの新曲「あじさい」もしっかりとやり切った。

”ホーリーボイス”とも称される透き通るような柔らかな歌声は、グラミー賞なども獲得した米国の伝説的女性シンガー・ソングライター、ジャニス・イアン(71)も絶賛。彼女が行っていた歌唱プロジェクト参加をきっかけに気に入られ、初アルバム「Bouquet」にはジャニス提供の5作も収録されている。

この日のMCではレコーディング時のエピソードも披露。「なかなか納得がいかなくて、何度も録り直しました」と振り返り、「喉を痛めないように、はちみつを直飲みしていましたね。またレコーディングがある時は、はちみつ飲むと思います」と笑った。

将来は「NHK紅白歌合戦」出場なども夢見る逸材。最後にデビュー曲の「白馬の王子と薔薇色の私」で締めると、客席からは大きな拍手が巻き起こった。「また来たいと思ってもらいたいと思って頑張りました。次もまたやりたいと思っていますので、また来てください」。柔らかな笑顔で、初のワンマンライブを終えた。【松尾幸之介】

◆花耶(かや) 本名斉藤花耶。2001年(平13)4月26日、山梨県南アルプス市生まれ。5歳でピアノを習い始め、翌年に歌も始める。18年、NHK「のど自慢」山梨県大会優勝をはじめ、複数のコンクールで賞を受賞。趣味は映画、ドラマ、アニメ鑑賞、特技は目薬を秒で差すこと、絶対音感。156・5センチ。血液型A。