ロックバンド、シーナ&ロケッツのギタリストでリーダーの鮎川誠(あゆかわ・まこと)さんが29日午前5時47分、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。74歳。所属事務所が30日、発表した。昨年5月にがんが発覚し、余命5カ月程という宣告を受けたが、本人の強い思いで公表しなかったという。

1948年5月2日、福岡・久留米出生まれの鮎川さんは、九州で人気を博したグループ「サンハウス」を8年間率いた。九大生だった71年、妻のシーナさん(故悦子さん)がライブハウスでサンハウスの演奏を聴きに来たのがきっかけとなり交際に発展。妊娠を機に75年に結婚し、3人の娘をもうけた。

その後、上京して78年にシーナ&ロケッツを結成し「涙のハイウェイ」でデビューした。79年には「ユー・メイ・ドリーム」がJALのテレビCMに起用されてブレーク。他に「レモンティー」「ピンナップ・ベイビー・ブルース」などをヒットさせた。

バンド活動で活躍するかたわら、俳優業でも活躍を見せた。88年にTBS日曜劇場「男たちのフツーの週末」でドラマデビュー。風間杜夫の相手約に抜てきされて話題を呼んだ。また、01年にはNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で朝ドラデビューし、沖縄のライブハウスの店員を演じるなどした。

15年2月にシーナさんが死去したが、シーナ&ロケッツとしてのバンド活動の継続を明言していた。オリジナルメンバーの奈良敏博、川嶋一秀と全国を回った。45周年目を迎えた22年11月23日には結成ライブを開催するなど、最近まで精力的にバンド活動を続けていた。