女優すみれ(32)が、若者応援イベント「Change Makers Fes 2023」(3月28日、東京ドームシティホール)のスペシャルアンバサダーに就任したことを受けて16日、本紙の取材に応じた。22年4月に長男を出産し、母となったすみれは、同10月に64歳で亡くなった母松原千明さん、父石田純一(69)への思いを語った。【聞き手=小谷野俊哉】

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今回のイベントは、25歳以下の若者を応援するもの。昨年4月に母になったことで、自分より若い世代に対する思いが深くなった。

「私は、若い頃からの教育とか影響が、一番大事なことだと思っています。そして、若い子たちの声も一番大事だと思うんです。若い子たちを応援したい気持ちは、いっぱいありますし、今回はいろいろな若者達をステージに上げて、私は“チアリーダー”を務めます」

母親になったことで、自身も成長できたという。

「大事な存在が生まれて、自分よりも大事なんじゃないのかな? というくらいの存在が生まれてくれました。自分の時間がなくなったり、体形が変わったり、いろいろな面で変わりましたけど、不思議なことに、自信もついた気がします。多分、出産であんなに痛いことを経験したので、なんでもできるぞっていう達成感なのか、そういうのが出てきました。『母は強し』っていう言葉って、まさにそうなんだなと思いました。自分も一緒に育てられています」

最愛の母、松原千明さんが昨年10月8日に、64歳で亡くなった。7歳でともにハワイに移住し、支え合ってきた。すみれは、コロナ禍の21年11月に2歳上の実業家の男性と結婚。翌月ハワイに飛んで、松原さんと2年ぶりに再会し、翌年4月30日に長男を出産した。

「具合が悪いと聞いても、コロナ禍で全然会えませんでした。電話とかでは話してたんですけど…。息子もまだ小さいからワクチンとかも打てず、連れて行けませんでした。息子を連れてママに会えなかったのは、本当に残念です。でも、おなかに長男がいた時に会えたのだけは、すごく縁を感じました。子供を授かったことを、すごく喜んでくれました。そういう意味では、親孝行できたのかな」

子育ては日本でしていく。

「私もあれをしろ、これをしろと言われず、自由に育てられました。結局、パパとママと同じ道に進みましたけど、息子が芸能関係に進みたいって言っても反対しませんし、むしろちょっとうれしいかもしれないですね。芸能関係だったら、アドバイスもできたりしますから。でも全然違う、スポーツ方面にいったりしても、かっこいいなと思うし、応援します。あとは、息子には絶対に英語をしゃべってほしいです。日本で育てますけどインタースクールもありますし、最近は英語を主に使う学校とかもあったりしますよね」

父純一の家族とは、頻繁に交流している。夫人の理子さん(47)は、すみれにとって頼もしい“先輩ママ”でもある。

「パパは、パパよりおじいちゃんの方が向いてるのかな? と思うぐらい、すごくかわいがってくれます(笑い)。自分の子供とあまり年齢差がないのに、デレデレしたところを見せてくれるのはうれしいです。理子ちゃんからは、いろいろと教えてもらっています。お洋服も、お下がりをもらっています! 理子ちゃんも3人のママで、一番下の女の子は、まだ4歳の現役子育て中。長男の理汰郎は、もう10歳なんですよ。なんかバレンタインで、チョコを1箱分もらってきたらしいです(笑い)」

兄のいしだ壱成(48)とは、最近は会えてないという。

「なかなかタイミングが合わないから、落ち着いたら会いたいですね。最近は映画とかもやってるみたいで、うれしいです」

16歳でモデルデビュー。歌手、女優、そして妻、母親。芸能活動を続けながら、子育てをしている。

「やっぱり難しい業界だなって、いまだに思っていますが、めちゃくちゃ成長してると思いますし、強くなってると思います。ちゃんとかっこいいママとして、お仕事も頑張りたいですね40代、50代になって、再ブレークしたいなという思いもあります。アメリカでオーディションを受けていて、最近はアジア人の役も増えているんです。でも、なかなか私の見た目と、英語が普通にしゃべれるのが逆にハンディになっちゃうんです…。日本人の役だと、やっぱりなまりがあって“ザ・ジャパニーズ”の外見で、前髪パッツンの黒髪とかの方のほうがウケたりするんですね。40代、50代になって、渡辺謙さんみたいに世界の舞台でブレークできたらいいなと思っています」

母になって、母を失った。それでも子供と成長しながら、強さを身に着けている。

○…過去2回はオンライン開催だった「Change Makers Fes」が、3回目にして初めてリアルで実現する。すみれも当日、アンバサダーとして出席予定だ。

「皆さんコロナ禍で大変だったり、寂しい思いをしたりしたと思うんですけど、だからこそ、みんなで助け合って、強くなっていければと思います。誰か1人のためにでも何をできるか考えて、世界のために何をできるかを考えてアクションを起こしてほしいなと思います。それを私は全力で応援します。今回の『Change Makers Fes 2023』でも、そういうアクションを起こしてる若い子たちがたくさんいるので、そのアクションを見たり、何ができるかと思うだけでもいい。それが1歩になるので、みんな一緒に頑張りましょうと言いたいです」

◆すみれ 1990年(平2)7月15日、東京生まれ。父は石田純一、母は松原千明さん。97年に母と共にハワイ移住。両親は99年に離婚。06年に日本でモデルデビューし、09年に米国のカーネギーメロン大演劇学科に入学。11年夏に休学し、日本で芸能活動を開始。13年に「Sumire」の名で歌手デビュー。14年にCBSドラマ「Hawai Fiveー0」で全米ドラマデビュー。17年3月全米公開の映画「アメイジング・ジャーニー 神の小屋より」でハリウッド進出。20年ミュージカル「NINE」。現在、Tokyo fmで「KOSE FIND my BEAUTY POWERD BY @cosme TOKYO」(日曜午前9時)などのレギュラー。175センチ。血液型A。