元宝塚歌劇団雪組の早花まこと、元同花組の天真みちるが8日、東京・八重洲ブックセンターで、互いの書籍刊行を記念して、タカラジェンヌのセカンドキャリアをテーマにトークイベントとサイン会を開催した。

早花は2002年(平14)に宝塚歌劇団に入団し、20年の退団まで雪組に所属。娘役で、劇団の機関誌「歌劇」のコーナー執筆を8年にわたって務め、1日に「すみれの花、また咲く頃-タカラジェンヌのセカンドキャリア-」(新潮社)を出版した。

天真は06年に入団し、花組に配属。幅広く男役を演じ、タンバリン芸でも注目され18年10月に退団。21年には「たその会社」を設立して代表取締役を務め、舞台、朗読劇、イベントなどの企画・脚本・演出を手がける傍ら、自身もMCや余興芸人として出演。2月28日に「こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇」(左右社)を出版した。

早花は、天真との共通点について「(宝塚歌劇団を)卒業したら余生だと思っていたこと」と語った。そして「ある意味、おこがましい、生意気な発言と今になって思う。でも…余生だなと思いますよね?」と問いかけた。

天真は「やっぱり自分が命、全てをかけて所属し、目指す男役像、宝塚像を突き詰めて出来たと思ったから卒業するじゃないですか? その時点で人生…というか青春がグッと詰まっている舞台だから、やり切った感がある」と、退団時の思いを語った。そして「元タカラジェンヌになった瞬間、さて、どう生きていこうかと『あしたのジョー』みたい」と、独特の言い回しで燃え尽きた思いを明かした。

早花は「そういう感じだったんですよね」と同意した。一方で「卒業したら余生だと思っていた」という発言について「それ自体が世間を知らない発言だったんですが、同じだったんだ」と、天真に共感したと語った。

天真は「私って、まだ“スーパーの袋からネギがはみ出てるの、持って歩くの想像できるジェンヌ”だと思っていた」と、独特の言い回しで自らを評した。そして「早花さんに共通点の話をしていただいて…余生というのはテーマとして、もっと掘り下げていきたい」と今後に意欲を見せた。