櫻坂46が1日、大阪城ホールで、全国ツアーの千秋楽公演を開催した。アンコールでは新曲「Start over!」(6月28日発売)をサプライズで初披露し、表題曲初センターを務める藤吉夏鈴(21)が涙するシーンもあった。観客の“声出し”解禁後初のツアーを完走した。

開演直前のアナウンスで山崎天(17)と小島凪紗(17)が「いよいよ千秋楽ですよ! 盛り上がって行くぞ!」と呼びかけた。「Cool」「半信半疑」「摩擦係数」と3曲を披露し、キャプテン松田里奈(23)は「今日が特別な日になるように、全力で楽しみましょう! いけんのかー!? 最後まで楽しんでいくぞ~!!」と絶叫。ファン1万人から大歓声を浴びた。

20年に欅坂46から櫻坂46に改名後、大阪城ホールでのライブは初めて。大阪出身の藤吉は「ずっと憧れて櫻坂として立ちたいなって個人的に思っていた会場なので、すごくうれしいです」と喜んだ。同じく大阪出身の田村保乃(24)も「今日が本当に最終日、最後まで後悔のないように全力で駆け抜けたいと思います!」と誓った。

アンコールで初披露した「Start over!」は、ルールや規則にとらわれず無邪気に解放していく姿を表現したナンバー。先月30日にYouTubeで公開されたMV(ミュージックビデオ)は早くも110万回再生を突破し、6万を超える高評価が付くなど話題となっている。松田は「100万回再生ありがとうございます。いつも以上に早い感じがする。ぜひ引き続きたくさん見ていただけるとうれしいです」と呼びかけた。

中盤には今年1月に加入した三期生11人も躍動した。谷口愛季(18)センターでオリジナル楽曲「夏の近道」を披露し、「Dead end」では村井優(18)が堂々とセンターを務めた。セカンドシングル「BAN」の冒頭では、石森璃花(21)をセンターに据えて三期生がパフォーマンス。途中から一期生と二期生も加わり、森田ひかる(21)センターで締めくくった。

アンコール明け、「Start over!」のイントロが流れると、サプライズ初披露に会場が沸いた。普段はおとなしい性格の藤吉が、メンバーたちの上を駆け上がるように乗っかるなど独特のパフォーマンスを見せ、何かが憑依(ひょうい)したように猟奇的な笑顔で魅了した。歌唱後しばらく、拍手が鳴りやまなかった。

キャプテン松田里奈(23)は「曲が鳴った瞬間、皆さんからすごい歓声をいただいて。沸き上がる感情が伝わってきて、一気にスイッチが入った感じがしました。こんなに喜んでくださってうれしいです」と感謝した。齋藤冬優花(25)は「夏鈴ちゃんがみんなの上に登るところで、私は夏鈴ちゃんのおしりの下にいるんですよ」と告白。「みんなが1つになって作ってるんだな、って思ってもらえたらうれしいです」と呼びかけた。

土生瑞穂(25)「前作とまた違った魅力がある曲なので、たくさんの方が櫻坂46にほれてほしいなと思います」とアピール。山崎は「ツアーファイナルという大事な舞台で新曲を披露するってことがなかなかないから、本当に緊張していました。皆さんからすごくいい反応をいただいて、もう満足です。ありがとうございます」と笑った。

出演全メンバーで「Buddies」を披露し、センターの山崎は「これからも、私たちは挑み続けます。その道には、Buddies(ファンの総称)が必要です! これからも一緒にいてくれますか~?」と尋ねると、「ありがとう~!!」と大歓声を浴びた。

ラストの「櫻坂の詩」を終えると、あらためて心境を聞かれた藤吉は涙しながら「楽曲の中で力強く、すごく自由に生きることができて、幸せでした。ありがとうございました」と声を震わせ、深々とお辞儀した。メンバーやファンからも温かい拍手が送られた。松田は「このツアーで学んだ者をいかして、これからも精進してまいります!」と誓い、約2カ月間にわたって行われた5都市11公演のツアーを締めくくった。