新潟出身の歌手小林幸子(69)が2日、新潟・十日町市の「越後情話立浪部屋ファーム」でブランド米「越後情話」の田植えセレモニーに出席した。

昨年立ち上げた農業支援事業「幸せプロジェクト」の一環で、地元魚沼産コシヒカリに、小林が1996年(平8)に発売した曲の「越後情話」から名付けた。立浪部屋が管理運営する約3000平方メートルの田んぼで、秋には24俵、約1・5トンの収穫を見込んでいる。

この日は台風2号の接近による豪雨で田植え機は稼働させなかったが、小林と関脇豊昇龍(24)が出席して豊作を祈願。立浪部屋の塩ちゃんこ鍋を地元の人たちに振る舞った。

小林が「雨は大変だけど、山にとって水は貴重。これが恵みの雨となって、おいしいお米が実ってくれれば。それにしても、私は晴れ女なのに、どうして雨が降るの」と話すと、豊昇龍は「自分は雨が大好き。雨の日には、あまり負けたことがないんです。今日は相撲取ったら勝てたかも(笑い)。田植えは初めてなので楽しみにしてたんですけどね」と話した。

昨年に続く第2弾となる「幸せプロジェクト」について、小林は「子供食堂にもお米を提供したい。子供は宝、おなかいっぱい食べて欲しい。あと、若い人に農業をやりたいと思ってもらえるような環境づくりも手伝えたら。“瑞穂の国”にとっては、食料自給率を上げることが大事。素晴らしい土地を持っているんだから、1人、1人が身近に考えて行ければ」と話した。

秋には、稲刈りのために、再び訪れる予定だ。小林は「日本一おいしいお米ができることを確信しています。新潟のお米は日本一。晴れた日に稲刈りすると、この国に生まれて良かったなと思うんです」と笑顔を見せた。

元横綱朝青龍の兄の息子である豊昇龍に、小林は「早く横綱になって」とエール。取材陣から好きな女性のタイプを聞かれた豊昇龍が「優しくてきれいな人」と答えると、小林はすかさず「私みたいな人がいいの」と反応。「ちょっと、年が離れすぎてるかな」と笑った。

小林は先月25日には同県長岡市山古志地域(旧山古志村)の水田で、2004年(平16)の中越地震からの復興を願う田植えに参加。07年に新潟県米親善大使、11年に農林水産省から「お米大使」に任命されている。新潟の農業支援のために全力を尽くしている。