女優玉田志織(23)が活躍の場を広げている。6月にはNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に女郎わかなみ役で出演し、福原遥(27)と取っ組み合いのけんかシーンで話題になった。9月に3冊目の写真集「Into The Light」(ワニブックス)を発売することも決定。エンタメに救われた経験から、目指す女優像とは-。【鎌田良美】
■「緊張感8倍」
肩を落とし、上目遣いで田沼意知(宮沢氷魚)を誘惑する。凜(りん)としたまなざしと艶のある所作で女郎わかなみを演じた。「緊張感がいつもの8倍くらいありました」と「べらぼう」の現場を振り返る。
昨年、ドラマで共演した福原とは意知を巡って壮絶な“女のバトル”を繰り広げた。つかみ合いのけんかなどしたことがない。「どうやったらいいんだろうと思って、家で1人で、えい! って。カーペットを福原さんに見立てて練習しましたね」。
劇中とは対照的に撮影現場は和やかだった。「浅間山の噴火シーンで実際に灰が降って、ちょっと手で顔をこするだけで真っ黒になっちゃって。一番の思い出は、福原さんと『私このぐらい!』って真っ黒になった足の裏を見せ合ったことです」と笑った。
特別な作品になった。
「ずっと大河ドラマに出るのが夢ですと言っていて。それがかなったんです」
まだ芸能界入りする前、中学生のころ。学校帰りに、録画した大河ドラマを一緒に見ていた母方の祖母が「志織が出てる大河を見てみたい」と言った。頭に残ったひと言が、自然と女優業の目標になっていた。高校を卒業して間もなく祖母は亡くなったが、すぐにお墓参りに行き「出ました!」と報告した。
レッスンを受け始めた当初は芝居に苦手意識があったという。コロナ禍だった20年10月の主演舞台「ガラスの部屋のミューズ」をきっかけに払拭された。「見てくださった方から『ルネ役は玉田さんにしかできなかった』と言っていただいて。1つの役を演じる重みを知りました」。
そして昨年、もう1つ印象的な出会いがあった。フジテレビ系ドラマ「ブルーモーメント」で山下智久(40)と共演した。撮影が長引き、現場の士気が下がっていたタイミングで山下は、出演者とスタッフをセットに集めた。
「いったん撮影を止めて『この作品を成功させるために、気持ちを切り替えてみんなで向き合いましょう』という感じのことをおっしゃって。それで一気に士気が上がった。スターなんだなって。そんなかっこいい役者さんに私もなれたらなと思いました」
同作は気象災害から人命を守るために奮闘する人々を描いた。仙台市出身の自身も、9歳の時に東日本大震災を経験。津波で父方の祖父母を亡くしている。「友達の目の前に電柱が倒れてきたり、友達がげた箱の下敷きになりそうなのを押さえたりとか」。悪い夢のような現実に直面した。
感情をぶつける場所がなかった。悲しいのに涙が出ない。失った感情を呼び戻してくれたのがドラマだった。亡くなったいとこの母を両親が探しに出かけている間、カーテンを閉めた部屋でいとこたちと動画を見て待った。
「その時も確か、命を救う系の作品を見てたと思うんですよね。そしたらシンプルに感情が出てきた。作品に助けられたから、作品を通して元気づけたり、勇気づけられたりできる人になりたいと思いました」
■2年連続出版
9月には2年連続となる写真集を出版する。「SNSで、また写真集を出してほしいっていうコメントが多くて。うれしい報告ができたかなと思います」。前作「as is」(小学館)は沖縄・石垣島で、今作は宮古島で撮影した。「ワンランク上がった23歳の女性としての、湧き出てくる感情を出せればと。前回とは違った表情が見られるんじゃないかな」と取り繕わない素顔を切り取った。
海に映える水色のビキニカット、初めて着たドレスと夕日の幻想的なカットが注目という。沖縄は6回ほど訪れているが、なぜかこれまでサーターアンダギーに手を伸ばさなかった。「中が紫色の、アイスもトッピングできるようなサーターアンダギー屋さんがあって。ここだけは絶対行きたい! って最終日に連れていってもらったのが思い出です」と宮古島で人生初を味わった。ちなみに、ちんすこうはいまだに食べたことがない。
■ラーメン注意
釣りが趣味だったり、家系ラーメンが大好きだったりと、麗しいルックスとのギャップも魅力だ。ただラーメンは食べ過ぎてマネジャーに注意されている。「なのでちょっと、避暑地巡りとかき氷巡りを頑張っていきたい」。かき氷は1日に3杯食べることも。「かき氷って暑い時じゃないので。シーズン、これからなので」と“ゴーラー”(かき氷愛好者)へのシフトをもくろんでいる。
「1年が終わった時に、何か成し遂げたぞって言えるような年にしたい」と言っていた25年も3分の2が過ぎた。今から挑戦したいことを2つ挙げた。「プライベートでは料理。料理でいい女になりたいなって。あと言霊なので言っておくと、学生役がやりたいです」。大人びた顔立ちゆえか、高校生のころから居酒屋で働く役や母親役が回ってきた。「ちょうど髪も切ったし、若くなったねって言われるので! 制服着たいです。学生精神を味わいたい」。
長期的な目標は明確に定める。作品を通して、さまざまな感情を届ける女優になること。
「『コード・ブルー』という作品で山下さんが医者の役をやって、それに憧れて医者になった人がいると読んだことがあって。それぐらい人生に響くような作品に携わりたいです。40歳くらいになった時、この作品を見て目指しましたとかそんなふうに言ってもらえたら、やっててよかったなってきっと思える」
エンタメが人を救う力を、身をもって知っている。だから今後はそれを、届けていく。
■「どうして」にこだわった写真集「Into The Light」
9月26日にワニブックスから発売される3rd写真集。6月に沖縄・宮古島で撮影した。「意味がないものをやりたくなくて。どうしてこの場でこの水着なのか、どうしてここでワンピースを着るのか。考えてすごくこだわりました」とロケ地、衣装などをセルフプロデュース。10月5日に東京・ブックファースト新宿店で発売記念イベントを開催予定。
◆玉田志織(たまだ・しおり)2002年(平14)2月20日生まれ、宮城県出身。17年「第15回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞。24年にテレビ朝日系「離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-」、フジテレビ系「ブルーモーメント」、日本テレビ系「マル秘の密子さん」と3クール連続ドラマ出演。25年1月からみやぎ絆大使。4月期テレビ朝日系「天久鷹央の推理カルテ」出演。趣味は釣り、ギターなど。特技はヒップホップダンス。163センチ、血液型A。



