演歌歌手川中美幸(70)が新曲「暖流桜」の舞台、鹿児島を訪問した。その様子を単独取材させていただいた。

まずは「暖流桜」だが、おじさん記者は全く知らなかった。鹿児島出身で同曲の作詩家京えりこ氏も5年前まで知らなかったという。表敬訪問した塩田康一県知事も、川中の新曲で知ったという。

暖流桜は2月中旬から3月初旬にかけて鹿児島県(鹿児島市・種子島を中心)に咲く早咲きの桜だ。咲き始めは白く、散る間際にピンクが濃くなる特徴を持つという。その名には、北上する黒潮(暖流)のように広がってほしいという願いが込められてる。

今回、同行取材の要となったのが天候だ。暖流桜との写真撮影のため、晴れればその時点でほぼ取材は成功と思われた。

だが、前日まで鹿児島は雨。おじさん記者は当日、東京から鹿児島入り。東京は雨だったが、鹿児島の予報は曇り。内心「勝った!」とほくそ笑んでいた。実際、鹿児島に着くと、やや風が強めだったが晴れ。趣味のゴルフでは自称“晴れ男”だが、仕事でも面目躍如となった。

ふれあいスポーツランドを訪れると、そこには「河津桜」「暖流桜」「ソメイヨシノ」など各種の桜が植えられていた。すでに葉桜状態の河津桜とまだつぼみの状態のソメイヨシノに挟まる形で、暖流桜は満開だった。風に舞う暖流桜の花びら。その光景はまさに幻想的だった。

あまりのきれいさに川中が暖流桜を満喫しはじめると、現地メディアが突然撮影を開始。現地流の取材方法に少々戸惑いつつも、おじさん記者も取材開始となったのだった。

今回の取材で感じた川中のすごさは、ファンへの対応だった。ふれあいスポーツランドでは桜の下での取材のため、たまたま訪れていたお客さんは絵に書いたような二度見で「川中美幸さんだよね?」となった。 やがてスマホで撮影を始めるのだが、嫌な顔ひとつ見せなかった。取材が終わると「せっかくだから、みなさんで一緒に撮りましょうよ!」と自ら提案。暖流桜をバックに川中を囲むと、事務所スタッフがカメラマンとなり、それぞれのスマホで撮影という即興撮影会となった。

塩田知事を表敬訪問した県庁でも、まさか川中美幸がいるとは思ってもいなかった来庁者は、漏れなくみな驚いていた。

県庁入り口のエスカレーターには、県内産の芋焼酎が大量に展示されている。エレベーターで「何種類くらいあるのかな?」の川中の疑問に、たまたま乗り合わせた男性が「約400種類ですが、まだまだこんなもんじゃないです」と返答。その質問者が川中だと気付くと「あっ! えっ? 川中さんですか?」とまるでコントのような反応。

そんな方々にも「せっかくだから写真撮りましょう!」と自ら提案する川中の姿に「さすが大御所!」と感動さえ覚えた。

おじさん記者にとっての初鹿児島は暖流桜と桜島を見ただけだが、川中の“一期一会”精神で心温まる取材となった。【川田和博】