「團菊祭五月大歌舞伎」(5月3~27日、東京・歌舞伎座)で3代目尾上辰之助を襲名する尾上左近(20)が24日、神奈川県内で、墓参と取材会を行った。
立役、女形ともにつとめ、古典、新作と幅広く活躍する。歌舞伎ファンを中心に「サコンヌ」の愛称で知られている。左近はこの呼び名を見た時のことを「ついにネットスラングになったかと思いました」と笑った。12年近く左近を名乗り、愛称も定着したが、3代目辰之助を襲名する。
「三月大歌舞伎」に出演中で、「左近!」と声がかかった日のことを挙げ、「左近が終わるんだなあというのをあらためて感じて、すごく感慨深くなりました。ただ、左近が終わるというのと同時に、辰之助という名前で今後役者をさせていただけるうれしさは本当に大きい」と話した。
幼いころの舞台の思い出を聞かれると、左近は「父(=尾上松緑)と一緒に安徳帝をやったことはぼんやり覚えていますが、とても緊張しいだったので、いい思い出はないですね」と、「義経千本桜」の「大物浦」に出演した時を振り返った。
同世代や少し上の先輩と芝居をするようになったことで、役者としてやっていく意識を持ったという。左近は「自分と同じ境遇の、年の近い先輩がたくさんいるんだ、この中に入りたいと思いました」と話した。父が中村鷹之資と共演した「太刀盗人」に出演した時のことを「鷹之資のおにいさんを見て、こんなに年が近いのにこんなにすごい人がいる、と思いました」と思い返した。
市川染五郎、市川團子とは年齢も近いため、3人で話したり、食事に行くという。左近は「あまり同世代がいない分、団結してやっていこうという話はよくしています。これからやりたいお芝居や、歌舞伎をどう盛り上げていくかってこともお話ししたりします」。 立役も女形もつとめる「兼ねる役者」への心構えとして、左近は「父から『兼ねる役者は、どちらも100%やれる役者のこと。人生2回分頑張らないといけない』と言われています」と話し「祖父(=初代辰之助さん)、7代目(尾上菊五郎)のあこがれに向かって努力していきたい」と決意を見せた。
「團菊祭五月大歌舞伎」での襲名狂言(演目)は、昼の部「寿曽我対面」で曽我五郎を、夜の部「鬼一法眼三略巻 菊畑」で奴虎蔵実は牛若丸をつとめる。ほか、夜の部「助六由縁江戸桜」に出演する。



