先日、NHK「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?」(土曜午後7時半)取材会に足を運んだ。テレビ番組初レギュラーに挑戦する歌手のMISIA(48)の意気込みを語る言葉は不思議と歌詞を読んでいるようだった。
同番組はNHKスペシャルの人気シリーズ「人体」で共演していたタモリとノーベル化学賞受賞研究者、山中伸弥氏による“知的探求エンターテインメント番組”。MISIAは新MCとして7月4日放送回から加入した。新体制1回目は「宇宙とは何か?」をテーマに、果てしなく広がる宇宙の起源やその仕組みについて、最先端の科学が解き明かした驚きの事実が放送された。初回テーマに、7月7日の七夕生まれのMISIAは「天の川には親しみがあります」と切り出した。
「空を見上げた時に地球へ届く星の光や、何億年も前のものだったりする。現在と過去が同時に広がっているのってすごいじゃないですか。あと、このスタジオに入ってくるとき、大河ドラマに出演されている方だったんでしょうか。甲冑(かっちゅう)姿の方がいまして…。あの時代の人たちが見ていた星も、今の空から見られるのかなと思うとおもしろいですよね」
宇宙を語りながら、自然と歴史に視点がつながっていく、発想の飛躍がいかにもMISIAらしいと感じた。
さらに、印象的だったのは、「学び」を星に例えた表現だ。
「学びって、点のように、星のようにあって、それが語り合うことで星座のように形になるんです。アフリカに行った際に学んだこと、日本で子どもたちと接した時のことがつながることもあると思うんです」
アフリカでは現在と異なる星座を語り継ぐ民族と出会った経験にも触れ、「今は都会の光で見えない星も、昔はどんなふうに見えていたのだろう」と思いを巡らせた。そして、「上手に、知識を線にできればと思います」と意気込んだ。科学番組への抱負であると同時に、長年音楽を届け続けて来たMISIA自身の生き方にも重なってみえた。
初回テーマにちなみ、「宇宙でやってみたいこと」を聞かれると、「ライブをしてみたい」とニヤリ。しかし「歌は振動がないと伝わらないので、どうやら歌えないらしい。歌が歌えるのは地球上だけ」と笑顔で続けた。
さらに、今後番組で扱いたいテーマについては「人が分断されるのではなく、一緒に生きようとするために結び付けるテーマ」を挙げたほか、「声質によって音楽の伝わり方がそれぞれ違うのはなぜか。声質が与える音楽の違い、科学的に音楽を分析することに興味がある」と、歌手ならではの好奇心ものぞかせた。
科学について語る難しい会見ではあったが、MISIAの言葉は歌と同様に優しさがあった。知識を覚えるだけではなく、人や経験をつないでいくものとして捉える姿勢が、新番組でどんな反応を作り出すか、今後も楽しみだ。【加藤理沙】



