これまでに取材記者として芸能と野球ジャンルを担当してきたが、息の長い活躍を続ける方はその場の掌握力がひと味ちがうと感じる。上から目線な表現になってしまうが、たたずまいやオーラだけでなく、トークにも引きつけられるものがある。

先日、女優の内田有紀(50)が、timelesz寺西拓人(31)とダブル主演するフジテレビ系連続ドラマ「ラストノート」のトークイベントに登壇した。内田が登壇するイベントを取材するのは、昨年の放送されたドラマの完成披露試写会に続き2回目。当日の会場には内田の男性ファンはもちろんだが、「有紀ちゃん」と書かれたお手製のうちわやボードを持つ20~30代の女性客も多かった。内田とは歳も離れているし、世代も違う。ファン層の広さが印象的だった。

それからちょうど1年後に先のイベント。当日は七夕だったこともあり、ステージ上には観客が書いた短冊が飾られた。内田はその短冊を手に取ると「私めがねがないと見えないんです。老眼鏡…」と困ったようにつぶやいた。華やかなルックスから生まれるのは飾らないトーク。観客からは笑いも漏れ、和やかな空気が生まれた。客席とステージの間に生まれがちな“壁”の存在を思わせなかった。

ファンを大切に思う距離感も感じた。イベント中、内田は自身のファンから聞いた話として切り出すと、客席にいたそのファンとみられる女性に向かってアイコンタクト。続けて、内田と寺西のファン同士が今作にエキストラで参加したことを機に仲を深めているという出来事があったと紹介した。「私のホームページに寺西君のファンから『寺西をどうぞよろしくお願います』『テラをどうか優して導いてください』とメッセージが届くようになりました」と明かした。笑みを絶やさず言葉にするその姿は、縁のつながりを心から喜んでいるように見えた。

心をつかまれたのはファンだけではない。内田は、屋外で今作のとある1シーンを撮影中にその姿を週刊誌に撮られたことに言及。そして「今日いらっしゃってるかな?」とマスコミ席に視線を送ると、「良い写真を撮ってくださってありがとうございます」とくったくなく笑った。そして「良い記事にもしていただいて宣伝になりました」と一押し。笑いに変換するトークは、一枚上手だった。

この日の会場でも、「有紀ちゃん」のうちわが客席でふりふりと揺れていた。イベントを見守っていたテレビ局関係者も、世代問わず「かわいい…」とため息を漏らすほど。世代の垣根を越えて、多くの人を魅了する。記者も「ラストノート」の放送を毎週楽しみに待っている。【望月千草】