「仁義なき戦い」などの任きょう映画や、数々の時代劇をヒットさせた東映の名誉会長、岡田茂(おかだ・しげる)氏が9日午前5時55分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。87歳。広島県出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。長男は東映社長の裕介(ゆうすけ、本名剛=つよし)氏。

 東大卒業後、東映の前身である東横映画に入社し、一貫して映画製作の現場を歩んだ。多数のスターを起用して時代劇路線を成功させ、京都、東京撮影所の所長を歴任し、鶴田浩二の「人生劇場・飛車角」や藤純子(現富司純子)の「緋牡丹博徒」などのシリーズもので任きょう路線を確立。菅原文太らを起用してやくざの抗争を描いた「仁義なき戦い」をシリーズ化して実録路線として定着させた。

 1971年から93年まで社長を務めた後、会長、相談役を経て2006年に名誉会長。日本映画製作者連盟の会長なども務め、邦画の復興に尽力した。

 著書に「悔いなきわが映画人生-東映と共に歩んだ50年」などがある。1995年勲二等瑞宝章。