2度のアカデミー賞(R)監督賞に輝くクリント・イーストウッド(84)が、名優ブラッドレイー・クーパー(40)を主演に迎えた映画「アメリカン・スナイパー」(2月21日日本公開)。全米で16日に封切られた本作は、週末3日間(1/16~1/18)で興行収入9020万ドル(約108億2400万円)を突破し、歴代1月全米公開作品の記録の2倍以上もの数字をたたき出す大ヒットスタートを切った。しかし、その内容をめぐって、ハリウッドではバトルが発生している。

 米軍史上最多160人を射殺した実在の人物クリス・カイルの半生を描いた本作。9.11以降のイラク戦争を舞台に、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに所属するクリスが任務に立ち向かう様子や度重なる戦地への遠征で心が徐々にむしばまれていく様子が描かれている。

 こういった本作の内容をめぐって、ハリウッドでは賛否両論が渦巻いている。女優のジェーン・フォンダは「パワフル」「ブラボー、クリント・イーストウッド」と称賛のコメント。その一方で、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺を題材にしたコメディー映画「The

 Interview」(原題)で騒動となった俳優のセス・ローゲンは、「(2009年の戦争映画の)『イングロリアス・バスターズ』の第3章で上映していた映画みたいだ」と作品の批判と受け取れるツイートをして、炎上してしまった。

 さらに、映画監督のマイケル・ムーアは、「私のおじは第2次世界大戦でスナイパーに殺された。スナイパーはひきょう者だと教えられたよ。背後から撃ってくるんだ。スナイパーはヒーローなんかじゃないんだ。それに、侵略者はいっそうひどいよ」と本作を猛烈に批判した。このコメントには批判やコメントが殺到。政治家のニュート・ギングリッチは、「マイケル・ムーアはイスラム国やボコ・ハラムのテロリストたちと共に過ごすべきだ。そうすれば、彼はアメリカン・スナイパーに感謝することだろう。我々を守ってくれる人たちを私は誇りに思う」と反論。監督・俳優のロブ・ロウも「これは冗談だよね?」とマイケルを批判している。【ハリウッドニュース編集部】