<第62回NHK紅白歌合戦>◇31日◇NHKホール

 AKB48グループが総勢210人出演の壮観なステージを見せれば、人気子役の芦田愛菜(7)鈴木福(7)が愛くるしいパフォーマンスで楽しませた。「第62回NHK紅白歌合戦」が12月31日、東京・渋谷のNHKホールで開催された。AKB48グループは人文字で、東日本大震災からの復興に向けたメッセージを送り、東北出身の出場者たちも思いを込めた熱唱を聞かせた。結果は紅組が7年ぶりに勝利し、通算成績は白組の33勝29敗。

 天才人気子役、芦田愛菜がハプニングに見舞われた。紅白史上最年少で初出場の芦田と鈴木福は、ユニット「薫と友樹、たまにムック。」として出場した。出番になると、ディズニーの人気キャラクター、ミッキーマウスとともに登場した。

 2人がミッキーと手をつないでステージ上の階段を下りきった瞬間、芦田が足を滑らして、転んでしまった。ミッキーは何度も手を口にあて、驚いたしぐさを見せた。ところが2011年、日本中をくぎ付けにした天才子役は慌てなかった。すぐに体勢を立て直し、落ち着いた表情でステージを歩き始めた。気遣うしぐさのミッキーに、「ミッキー、よろしくね!」と笑顔を見せ、背伸びをしてハイタッチした。

 一瞬のことだったが、突然の出来事に、会場もざわめいた。司会の松本潤(29)も「大丈夫?」と心配したが、芦田は「ちょっと足が…」と照れ笑いした。すぐに大ヒット曲「マル・マル・モリ・モリ!」から始まるメドレーを歌いだしたがミスもなく、いつもの笑顔で元気に歌い、踊った。

 メドレー最後に歌った「小さな世界」のラストでは、ミッキーの耳をまねる、愛らしいミッキーポーズをバッチリ決め、隣で踊っていたグーフィーの鼻をなでる余裕も見せた。

 ともに7歳の2人が出演できるのは、労働基準法で定められた午後8時までの45分間だけだった。登場場面は、「マルモリ」を含む企画コーナー「あしたを歌おう。~こどもスペシャル~」と限られたが、存在感は抜群。天才子役の頑張りに、会場から温かい拍手が鳴りやまなかった。