7日に肺炎のため死去した俳優二谷英明(にたに・ひであき)さん(享年81)の葬儀・告別式が11日、東京・芝公園の増上寺光摂殿で営まれた。家族ぐるみの親交があった音楽家長渕剛(55)が約17分間、感謝の思いを込めて弔辞を読み上げ、自身で作った楽曲「12色のクレパス」をささげた。二谷さんの急死に大きなショックを受けた妻で喪主の女優白川由美(75)も、ファンに向けて涙ながらに夫への思いを語った。

 祭壇前に立った長渕は、遺影を見上げると「お父さん!」と声を振り絞って呼び掛け、弔辞を読み始めた。訃報を聞いて二谷さん宅に駆けつけた長渕は、二谷さんから掛けられた優しい言葉を思い起こしたという。「まだ20代の僕が二谷邸に招かれて。お父さん、僕に何て言ったか覚えてますか?

 『君が長渕君か。面白い芝居するね』。うれしかったです」。

 その後、二谷さんから「おなかがすいたらいつでも(家に)来ていいよ」と言ってもらったため、何度もごはんを食べに行ったという。その上で「優しいお父さん」が、これから先はずっと自身の心の中に宿り続けるからという理由で、「僕は、今日は泣きません」と宣言。唇をかみしめた。

 そして「若輩者の僕に、たくさん愛をありがとう」と謝意を述べ、「お父さん、歌を歌うよ」。ギターを持ち、自身の曲「12色のクレパス」を披露した。「あなたがそばにいるだけで~」と天国の「お父さん」に向かって歌い、参列者の涙をさそった。弔辞は、歌を含めて約17分間におよび、BGMでは長渕のヒット曲「とんぼ」が流れた。

 長渕はTBS系ドラマ「家族ゲーム」(83年)で白川由美と、「家族ゲーム2」(84年)で二谷さんの長女で元女優の二谷友里恵さん(47)と共演したことがきっかけで、二谷家との付き合いを続けてきた。

 夫の急死に大きなショックを受けていた白川は、喪主として初めて涙ながらに心境を語った。「今朝(夫の)夢を見ました。長いことテレビなどの仕事場から遠ざかっていたけど『懐かしかった』『みんな来てくれたんだねー』というようなことを言っておりました。とてもいいお顔で、眠っております」。

 出棺時、白川が位牌(いはい)を、友里恵さんが遺影を持った。長渕もひつぎを持ち、長渕の妻で元女優志穂美悦子さんも後に続いた。約700人が参列。駆けつけたファンも合わせると1000人以上が名俳優に最後の別れを惜しんだ。