<日刊スポーツ映画大賞:助演男優賞・森山未来(北のカナリアたち、ほか)>◇28日◇ホテルニューオータニ

 第25回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛)の授賞式が行われた。

 森山未来(28)は授賞式の雰囲気がすっかり気に入った。「生バンドもあって、おしゃれな授賞式だなと思いました」。ステージでは、称賛の言葉も掛けられた。昨年の受賞者で盾を贈った西田敏行は「役への対峙(たいじ)の仕方がすばらしい。ハリウッドスターで言えば、マット・デイモン。クレバーで何者か分からない感じがいい」。花束を持って祝福した「北のカナリアたち」の阪本順治監督も「いいところは何度テスト、本番を繰り返しても、新鮮さを失わないこと」と褒め上げた。

 受賞作「北のカナリアたち」は忘れられない現場だったという。「吉永さん、里見浩太朗さん、仲村トオルさんがいて、僕ら若い人もいる。絶妙なバランスで不思議な力強さを持った映画になった。寒さに負けない、出演者、スタッフのエネルギーと熱気で作った作品だった」と振り返った。

 デビューして13年。若手演技派として着実に歩んできたが「いつだって、やめられるという気持ちはどこかにあった。この仕事って水商売みたいなところもある。ただ、まじめに真剣にやる水商売ですけど」。授賞式に初参加して、あらためて石原裕次郎さんの「粋さ」を感じた。「洒脱(しゃだつ)ですよね。そんな遊び心を大事にしたい」。来月8日から「北の-」で共演した満島ひかり(27)と共演する舞台「100万回生きたねこ」(東京芸術劇場)が控える。「何者かよく分からない感じで、来年も突っ走りたい。そして、また授賞式に呼ばれたい」と宣言した。【林尚之】

 ◆北のカナリアたち

 日本最北の島にある麗端小学校岬分校の教師、川島はる(吉永小百合)と生徒6人の間で悲劇的な事故が起きた。はるは夫を亡くして島を追われ、「天使の歌声」を持つ生徒たちもまた罪の意識を抱えて生きていた。20年後、はるは都内の図書館で司書をしていたが、教え子の鈴木信人(森山未来)が事件を起こしたと知ると、北海道へ渡り、教え子を相次いで訪ねる。阪本順治監督。

 ◆森山未来(もりやま・みらい)1984年(昭59)8月20日、兵庫県生まれ。99年舞台「BOYS

 TIME」でデビュー。01年「さよなら、小津先生」で連続ドラマ初出演。04年映画「世界の中心で、愛をさけぶ」でブルーリボン新人賞。映画「フィッシュ・ストーリー」「モテキ」に主演。来年1月に舞台「100万回生きたねこ」に主演、アニメ映画「聖☆おにいさん」で声優に初挑戦。