16年ダービー馬マカヒキ(牡9、友道)が現役を引退して種牡馬入りすることが決まった。25日に友道康夫調教師(59)が発表した。北海道新ひだか町のレックススタッドで繋養(けいよう)される。

友道師は「今のウチの厩舎がいいサイクルで回っているのは、マカヒキでダービーをとらせてもらったことが一番大きいと思います。古馬になってから京都大賞典(21年)しか勝てませんでしたが、何より脚元にまったく問題がなかった。その点は本当に偉い馬だと思います。これが今後は子供たちに伝わってくれればと思っています」とねぎらい、種牡馬としての活躍に期待した。

15年10月に新馬戦を勝つと、父ディープインパクトと同じく若駒Sと弥生賞でデビュー3連勝を飾った。続く皐月賞はディーマジェスティに敗れて2着で初黒星を喫したが、大一番のダービーではサトノダイヤモンドを鼻差で退けて頂点に立った。川田騎手、友道師ともにダービー初制覇となった。

3歳秋にフランス遠征を敢行して初戦のニエル賞を制したが、凱旋門賞では14着と大敗した。以後は5年以上も勝てない日々が続く中で、大きな故障もなく第一線で戦い続けた。21年に8歳で京都大賞典を制すと、観客席からは大きな拍手が起こった。

グレード制が導入された84年以降のダービー馬で7歳以降も現役を続けた例はなく、9歳まで走り続けて“最長記録”を打ち立てた。今年8月の札幌記念(16着)がラストランとなった。

◆マカヒキ 2013年1月28日、ノーザンファーム(北海道安平町)生産。父ディープインパクト、母ウィキウィキ。牡、鹿毛。馬主は金子真人ホールディングス。通算成績は28戦6勝(うち海外2戦1勝)、重賞は4勝、G1は1勝。