阪神は序盤に8点のビハインドを背負ってしまった。試合の流れからして、これだけ大量リードを許してしまうと、チームの反発力を考えたら、1点ずつ追い掛けていくのが厳しくなってしまった。

この試合、阪神高橋遥のほうが、ヤクルト山田大より、約10キロ速い球を投げ込んでいた。しかし、わたしがネット裏からバッター目線でみていると、高橋遥より山田大のボールのほうが“速さ”を感じたものだ。

実際、高橋遥の投球はヤクルトの各打者にいい当たりをされ、4回で8点を献上した。逆に阪神打線はというと、山田大のストレートに差し込まれ、その結果はファウルになったり、外野フライを打ち上げるシーンが目立った。

高橋遥が好投手といわれながら負けが先行するのは、速さだけで勝負するのは至難であることを意味している。球威があるから調子が良いときは力勝負ができる。だが、ボールのキレを欠いたときなど、ストライクゾーンだけで抑えるのは難しいということだ。

残りシーズン、先発する機会は限られてきたが、そこをよく考えながら一本立ちしてほしい。(日刊スポーツ評論家)