いきがいい、とはまさにこのことだった。巨人戸郷翔征投手が24日DeNAとの大一番、23試合目の登板で今季2度目の完封劇を演じた。7回終わって77球。マダックス達成の可能性さえあった快投は、敵地で鮮やかな勝利をもたらした。「今日は真っすぐだと思います。すごい走っていたし、バッターの反応がすごく良かったのが真っすぐ」。23歳という若さあふれる投球内容だった。

快投の3日前、ジャイアンツ球場でふと思い出した。「あっ! そういえば洗い忘れてるな!」。なんのことかというと、自宅キッチンのグリルだった。「僕、塩サバが大好きで。洗い忘れてるの今思い出した。ベッタベタやろうな」。朝から眠い目をこすりながら、塩サバをグリルに滑らせ「でも焼くのがしんどい、ずっと見とかなきゃいけないから」と抜群の焼き加減を見計らうのだという。

お餅から白米に代えたのも、ここ最近だった。「朝から白米食べたときの体調がすごくいい。練習の時の動きがいいんですよね。感覚として。体重も増えるし。朝からつくるのしんどいけど。すごい(エネルギーになっている)気がしますね」と、自家製塩サバ定食が2年連続の2桁勝利を下支え。若きエースの“旬”はまだまだ続きそうだ。【巨人担当 栗田成芳】