<高校野球滋賀大会:石山6-5草津東>◇16日◇2回戦◇マイネットスタジアム皇子山
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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草津東のエース山口佳悟投手(3年)の夏は初戦(2回戦)で終わった。
運命は残酷だった。青山中の同級生で、同じ湖南クラブに所属した石山・出口航大投手とのエース対決になった。4-4同点の7回、2死一、二塁から、試合を決定付ける右越え2点三塁打を浴びた。打ったのは、これも同中学で同クラブの内村颯哉内野手だった。
「本当は対戦したくなかったんです。トーナメントを見た時、正直、嫌だなと思いました。だって、もし石山が勝ち上がったとしても、素直に喜べないですから」。
今でも仲のいい友達だ。それだけに、涙を目にためたその表情は複雑だった。中学校時代は3人とチームメート1人を加えた4人でよく遊びに行ったほど。「意識しないでおこうと思ったんですが、どこかで意識してしまってたんだと思います。それが結果的に最後につながってしまいました」。平常心を保とうとしたが、友であるがゆえに余計な力が入ってしまった。
今後は進学の準備をしながら残りの高校生活を歩んでいく。山口は自分の投球を反省した後「あとは頑張ってもらいたいですね」とかつての球友にエールを送った。その姿に、変わらぬ厚い友情が垣間見えた。【藤本真育】

