「規格外」のプレーが光った。広島菊池涼介内野手(25)がソフトバンク戦で走攻守で躍動した。打っては3安打。走っては2盗塁。さらに守備では、誰もが抜けたと思った打球に追い付くファインプレーで沸かせた。オープン戦で黒星が積み重なる中、若きチームリーダーが広島を高みへと導く先導役となる。
誰もが抜けたと思った瞬間、背番号33が飛びついた。同点に追い付いた直後の4回。2死二塁から二塁ベース付近への打球を菊池がダイビングキャッチし、素早く一塁へ。俊足の打者走者本多をアウトにし、勝ち越しを許さなかった。「最近多くなってきましたね。感覚の問題です。シーズンに向けていいイメージができた」。開幕を1週間後に控え、高い身体能力が目覚めつつある。
守りだけではない。「打撃はたまたま」と謙遜しながら、ソフトバンクのエース摂津から2安打。2番手の森からも中前に運び、3安打を記録した。低空飛行を続ける広島打線の中でひとり急カーブを描き、打率を3割2分まで上げた。
走っても摂津から2盗塁を記録した。「クイックが速くないのは試合前から聞いていた。初球からいこうと思っていて実行できたのは良かった」。3回2死一塁から丸の初球に二盗を成功させ、5回1死一塁からは丸への3球目に走った。「狙う回数を増やすというよりも、(塁に)出たら思い切ってスタートを切る意識を持っている」。機動力野球を目指す緒方監督となり、昨秋から盗塁への意識も強くなった。
昨季、打撃3部門で自己最高の成績を残し、侍ジャパンに定着。今季は緒方監督からチームリーダーに指名された。この日も、調子が上がらないマウンドの前田に歩み寄り声をかけるシーンが多く見られた。「規格外」と菊池を評す指揮官はあらためて賛辞を贈る。「神業のようなプレーをする。彼のプレーは本当に大きい。シーズンでどれだけのものを見せてくれるのか。素晴らしい」。
オープン戦2勝6敗2分けと波に乗れていない。それでも「あと(オープン戦が)2つある。何をやるにしても僕らがやらないといけない」と前を向く菊池が、チームを上昇気流へと導いていく。【前原淳】



