激勝で生き残った。広島が9回に決勝点を挙げた。7回無失点の黒田の熱投に遅ればせながら、応えた。緒方孝市監督(46)も黒田、大瀬良の熱投が勝利を運んだと最敬礼。借金を4に戻しなんとか粘ってセ・リーグの争いにとどまった。形はどうだっていい。求められるのは勝利だけだ。
徳俵は最後の力を絞り出すためにある。絶対に負けられない戦いで、緒方カープが白星を手にした。確かに遅かった。燃えたぎる闘志と冷静な頭脳を駆使してゼロを並べた黒田に、9勝目をつけることは出来なかった。だが9回にヤクルトの守護神バーネットをつかまえた。黒田がグラウンドに残した気持ちが、最後に乗り移った。
緒方監督 重い展開だったけどね。クロ(黒田)と(大瀬良)大地が、ヤクルト打線をゼロで抑えてね。最後に野手陣の意地。何とかつないでくれた。
最後の最後だった。9回1死から田中と梵が連打でつなぎ一、三塁。指揮官は代打松山を告げた。ボテボテのゴロが一塁へ転がり、その間に田中が生還した。格好良くはない。だが、スコアボードに刻まれた「1」の意味は大きかった。ナインはベンチから身を乗り出して田中を迎えた。その後も失策などが絡んでつながり、4点をもぎ取った。最後は守護神中崎が締めた。
投手陣4本柱には間隔をつめさせ、中継ぎ陣にはフル回転指令。アクセルをぐっと踏み込み、負けられない戦いに臨んだ。だが前日4日のカード初戦を落とすと、この日も何度も好機をつぶした。満塁を2度つくりながら無得点。クリーンアップがそろって無安打で見せ場もなかった。負ければ今日6日にも自力優勝が消滅する試合だったが、最後にまさしく踏ん張った。
借金を再び4に戻し今日のヤクルト戦(神宮)で10日間に及んだ長期遠征を締めくくる。「とにかく勝つためにやっている。もちろんクロに勝ちをつけてやりたかったけど、みんな勝つためにやっているからね」。前日罵声を浴びせた神宮の広島ファンは、大歓声でナインをたたえた。戦いはまだ続く。土俵際の男たちは強い。【池本泰尚】



