FA権“返上”でスワローズ愛を貫く。ヤクルト川端慎吾内野手(28)が14日、都内の球団事務所で契約を更改し、1億6000万円プラス出来高の4年契約を結んだ。今季の年俸8500万円から7500万円増の大幅アップ。来季早々に国内FA権を取得予定で、球団は首位打者の流出阻止へ思いきった大型契約を用意。川端も「他のチームに行こうという気持ちがない」とヤクルトへの愛着を見せた。(金額は推定)
笑顔の川端からこぼれたのは、チームへのいちずな思いだった。「ヤクルトで野球がやりたいし、他の球団に行こうという気持ちがなかった」。提示されたのは予想外だったという複数年、それも4年の長期契約。球団の誠意に、覚悟を決めた。
「最強の2番打者」として全143試合に出場し、打率3割3分6厘で初の首位打者と最多安打(195安打)のタイトルを獲得。チーム14年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。ベストナイン、ゴールデングラブ賞のダブル受賞まで果たした10年目は「本当にいいシーズンだった。これ以上はないんじゃないかってくらい」。年俸は今季の約1・9倍に跳ね上がった。変動制で、活躍次第で3年目以降さらに上乗せされる。
移籍阻止への本気が実った形だ。川端は順調なら、来季早々に国内FA権の取得条件を満たす。権利行使なら争奪戦となるところ。小川シニアディレクターは「複数年で安心して野球に専念してもらいたい。それでしっかり成績を出してほしい。期待するのは当たり前」と信頼を示した。
来季からは新選手会長として、リーダーシップも求められる。左手首には自分への褒美に購入した高級時計メーカー、オーデマ・ピゲの推定500万円の腕時計が光った。「来年も連覇と、個人で2年連続首位打者を取れるように頑張っていきたい」。脂が乗る32歳まで、期待に応え続ける。
今日15日にはハワイへ優勝旅行に旅立つ。合間のトレーニングは怠らない。ダンベルなしで、筋持久力を鍛えるメニューを組んでもらった。「継続することは難しいこと。ここ2年、大きなケガもなく試合に出られた。これを1年でも長く続けていくことが大事」。帰り際、スワローズに骨をうずめたいか、と問われた。迷わずに答えた。「できれば、そうしたいです」。覚悟は本物だ。【鎌田良美】



