キャプテンのひと振りが、ロッテを勝利に導いた。同点に追いつかれた直後だった。8回、先頭の鈴木は、真ん中に甘く入った速球を完璧に捉えた。ホームランバッターの打球のような、きれいな放物線。リーグトップの3号に「なんでホームランが出るのか分からないです」と、つぶやいた。

 昨季まで通算14本塁打。「ホームランは病気だと思ってます」と真顔で言う。自分はホームランバッターではないと自覚しているからこその感覚だ。この日の試合前までは3本打った安打のうち2本が本塁打だった。「気持ち悪くてしょうがなかった」と言う。この日は長短打3本にバントも決め、ようやく「やりたいことができた」と言った。

 オフの取り組みの成果かもしれない。一念発起し大好きだった甘いモノを控えた。食事に出かけても定番だったデザートを頼むことはなくなった。「コンビニに行ってもアイスのコーナーに行かなくなりました」。ヨガにも挑戦するなど新たなものに取り組むシーズン。オープン戦首位打者という結果に続き、思わぬ効果が出始めている。【竹内智信】