今季初スタメンのヤクルト比屋根が、最下位脱出の起点となった。3回1死一、二塁からポレダの146キロ直球を左前に運び、先制適時打を放った。50メートル5秒9の俊足もアピール。3点リードの8回1死走者なし、遊撃への内野安打から暴投で二塁に進み、次打者・川端のエンドランで生還した。「チャンスをいただいたので、何とか打ちたかった」と必死に駆け回った。

 開幕カードで3連敗と屈辱を味わった相手。真中監督も「リベンジ。やり返すしかない」と試合前に、意気込みを口にしていた。同監督が「ポレダとの相性が良かった」と言うように、昨季5打数2安打のデータを基に先発出場を任され、この日は3打数2安打1打点。期待に結果で応えた。

 プロ5年目。年齢も28歳とチーム内でも中堅となった。「毎年自分よりうまい選手が入ってくる。いつクビになるかもしれない」。昨季トリプルスリーを達成した山田は5歳も下だが、「あいつはすごい。付いていくしかない」と常に自分の立場よりもチームの勝利を最優先に考えてきた。レギュラーを保証されているわけではない。そんな中で「がむしゃらだった」という男が、神宮のお立ち台でファンの声援を全身に浴びた。【栗田尚樹】