ソフトバンクの4連勝日本一はならなかった。「SMBC日本シリーズ2017」日本シリーズ第4戦は、DeNA先発の新人浜口遥大投手(22)にあわやノーヒットノーラン負け。8回1死から、代打鶴岡慎也捕手(36)が初安打を放って屈辱は免れたが、ヒット2本で完封された。CSと日本シリーズでは、左腕を打てないデータが顕著。今日2日の第5戦の先発も石田が予想されるが、一丸で2年ぶりの頂点を目指す。

 4連勝での日本一はならなかった。ソフトバンク打線がまたも左腕にやられた。先発浜口に8回1死まで無安打無得点。代打鶴岡が、この日苦しめられ続けたチェンジアップをようやくとらえて右中間二塁打を放ち、何とか屈辱を阻止した。

 「腕の振りがよくて、チェンジアップが直球に見えた。チームの勢いをつけるために1本欲しかった。外角直球をファウルにできるタイミングで待っていて最後に甘い球が来た」

 2死後、柳田の内野安打で浜口を降板させたが、2番手パットンの前に今宮が三振。この日一番のチャンスでも得点が奪えず2安打で完封負けを喫した。

 CSから続く左腕アレルギーは深刻だ。CSファイナルステージでは、楽天の左腕塩見、辛島に連敗。日本シリーズでも第2戦先発の左腕今永から6回で1点しか奪えなかった。この日の浜口にもチェンジアップ、フォークを使い分けられ翻弄(ほんろう)され続けた。工藤監督は「立ち上がりは硬いところもあったがうまくやられた。CSでもそうだが、緩急にやられた。狙い球が絞れなかった。うまくいかない時もある」と悔しそうに振り返った。

 今日2日の第5戦も左腕石田の先発が予想されている。CS、日本シリーズでは対左の打率が1割台だが、シーズンでの対左腕は2割6分8厘と右の2割5分6厘より高い。西武菊池には4戦4勝と打ち込むなど、左腕がまったく苦手とも言えない。

 あと1勝で日本一。だがまだ残り2敗できるという考えはない。工藤監督は「今日も勝ちにいったけど、先制され流れを持ってこれなかった。また明日、対策を練って動いていけるようにしたい。明日頑張ります」と、シーズン同様に、気持ちをすぐに入れ替えた。今日こそ、2年ぶりの日本一を決める。【石橋隆雄】