パ・リーグ首位楽天の切り込み隊長、茂木栄五郎内野手(25)が甲子園での「日本生命セ・パ交流戦」阪神戦で大暴れ。今季2度目となる1試合4安打の固め打ちで2打点をマークし、3-2の勝利に貢献した。

チームは阪神を相手に3連勝。交流戦ではV可能圏の3位につけており、優勝を目指して21日からDeNA戦に臨む。

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茂木の安打ショーのはじまりだ。第1打席。二塁前への高いバウンドのゴロで俊足を飛ばし、内野安打とした。「気持ちが楽になりました。(高橋遥は)いいピッチャーという情報は入っていた。何とか1打席目にヒットだったり、塁に出たいと思っていたので」。第2打席も中前へ抜けようかという二塁内野安打。そして2点を追う5回1死満塁で打席が回ってきた。

茂木はフルカウントから高橋遥の141キロカットボールを中前へはじき返した。「前進守備だったので前に飛ばせば何か起こるかなと思った。粘って、最後は甘い球を1球でセンターにはじき返せたのが良かった」。試合を振り出しに戻すと、7回にも右前打で好機を広げ、島内の決勝適時打につなげた。

5月4日の西武戦に続き、今季2度目の1試合4安打。通算では6度目となる固め打ちだ。島内から「茂木が打ち過ぎなので少しひいてます」と冗談を飛ばされるほど、バットが振れている。昨季は開幕前に右肘クリーニング手術を受けて出遅れ規定打席に届かず。打率(2割4分7厘)と打点(24打点)は自己ワースト。本塁打(7本)もワーストタイだった。その悔しさが今の活躍につながっている。「我慢して使ってもらった監督に本当に申し訳なかった。今年はもう1回レギュラーを取り直すと思って始まったシーズン。今もアピールしていることに変わりないですし、使い続けてもらえるようにまだまだアピールしたい」という。

平石監督も茂木の決意は感じ取っている。「内面的なことも含めて成長を感じます。(茂木の)コンディションは考えてあげないといけないし、無理させるのは絶対ダメ。でもレギュラーをはるのであれば(出続ける)強さも必要。その自覚も見えます」。茂木が万全で出場を続ければ、それだけ楽天の優勝が近づくのは間違いない。【千葉修宏】