宮崎秋季キャンプを訪れているソフトバンク王貞治球団会長(79)が16日、期待の大砲候補・育成2年目の砂川リチャード内野手(20)に「キング指令」を飛ばした。

23日に台湾で開幕するアジア・ウインターリーグ・ベースボール(AWB)への派遣が決まっている砂川に「(本塁打を)6本打ったら、何か(プレゼントを)あげるよ」と発奮させた。同リーグは18試合(レギュラーシーズン17試合、プレーオフ1試合。決勝、3位決定戦は除く)が行われ、3試合に1本の“ノルマ”を若きスラッガー候補に課し「6本ならホームラン王はいけるよ」と期待した。

王会長は午後からの特打ではケージ裏で砂川の打撃を見守った。「余分な力が入っているぞ! 」とゲキを飛ばすなど、約50分の打撃練習に目を凝らした。3試合で1本塁打は現役時代、王会長が常に念頭に置いていた目標だった。「僕たちの時は130~140試合だったから、3試合に1本打てば43本~47本くらい。それができれば合格と思ってやっていたからね。何か目標を立てると、自分の発奮材料にもなるしね」。通算868本の大金字塔を打ち立てた王会長の「本塁打思考」も披露して砂川の台湾での活躍に期待を寄せた。

「やるしかないです。台湾では全部ホームランを狙っていきます」。王会長の指令に砂川も気を引き締めた。練習後には王会長に「台湾で頑張って来ます。よいお年を」と活躍を誓った。同リーグ所属チームの監督を務める藤本3軍監督は全試合「4番」での起用を決めている。世界のホームラン王の期待を胸に、113キロの巨漢は快音を響かせるつもりだ。【佐竹英治】