緊急事態は万能サブマリンにお任せだ。米球界から3年ぶりに日本に復帰した楽天牧田和久投手(35)が30日、楽天生命パーク宮城のブルペンで33球を投げ込み、「いつでも試合に行けるような状態にきています」と順調な仕上がりを強調した。

コロナの影響で開幕が6月19日と大幅に遅れ、過密日程は避けられない状況。移動による感染リスクを避けるため、同一カード6連戦が多く組まれることも予想される。そこで生きてくるのが米国での過酷な経験だ。「普通に20何連戦とか、昨年はマイナーリーグで月に2日しか休みがなくて、その2日もバスの移動でした。(過密日程は)全く問題ないと思います」と涼しい顔だ。

伊藤1軍投手チーフコーチの基本構想は、勝ちパターンでのショートリリーフだが、秘策もあった。三木監督は「経験と知識がある選手なので、チーム状況を見ながら、いろんなケースで対応してもらえたらと思います」と、西武時代には先発、中継ぎ、抑えとあらゆる役割をこなしてきた強みに期待する。

自粛期間には体幹トレーニングに積極的に取り組み「バランスはよくなったと思います」。米国での高カロリー、量の多い食事の影響もあり、帰国時は自ら「アメリカンボディー」と称するほど、体重は93キロにまで増えていたが、すでに88キロまでシェイプアップ。主食も雑穀米なども取り入れ、夜は炭水化物を控えた。日本仕様にリニューアルし楽天1年目を迎える。「今まで以上に体が瞬時に動きやすくなった。投球でも体にキレが増したと思う」と変化を実感している。

143試合が120試合となり、「今年こそ開幕スタートが大事になってくる」とベテランらしく分析する。6月2日から再開する練習試合に向け「対バッターにどれだけ投げられるか。ストライクゾーンもあるし、試合勘をどんどんつけて開幕に持ってきたい」。頼もしいベテランが楽天の欠かせない新戦力となる。【野上伸悟】