ロッテ平沢大河内野手(24)はお立ち台で、すがすがしい表情を見せた。「今年初めての安打だったので、すごく安心してます」。

大きな拍手で打席に送られた2回1死二塁。西武渡辺の直球をしっかり引っ張った。「狙い球を絞って思い切って。チャンスで回ってきたので、思い切った結果がタイムリーになって良かったです」。6回は流し打ちの適時打で、再び大きな拍手を浴びた。

【ニッカン式スコア】3日のロッテ―西武戦詳細スコア

第1打席の安打は、今季初安打だった。右肘手術の影響もあり、20年と21年は1軍出場なし。19年9月9日以来、約2年7カ月ぶりに「H」ランプをともした。「朗希もすごく良かったですし、何とか早めに1点取って試合を優位に進めたかったので」。ドラフト1位の先輩として、攻守で頼もしい姿を見せた。

仙台育英(宮城)の主軸として甲子園で躍動する平沢の姿は、同じ東北出身の後輩にはまぶしかった。佐々木朗がプロ志望届を提出した翌日の19年10月3日、ロッテ永野チーフスカウト(現・統括コーディネーター)と東北担当の柳沼スカウトが大船渡高に面談に訪れた。

永野チーフが「ロッテで知っている選手はいますか?」と質問すると、即答したという。

「平沢選手です」

永野チーフが「うちは東北の選手が多い。種市も頑張ったし」と話すと、佐々木は笑顔を見せたという。

同じグラウンドで戦い、ともにお立ち台に上がり、勝利の喜びを共有した。試合後、東北つながりの意識を問われると平沢は「それはないですね」と笑ったが、ドラフト1位の入札競合でロッテに導かれた若者たちの活躍は、チームの未来にも大きなプラスだ。

「目の前のことで必死なので。出たところで思い切って結果出ればなと思っています」

輝きを取り戻すシーズンにする。【金子真仁】