体重115キロの「ベッケン」こと西武渡部健人内野手(24)が、2年ぶりの本塁打となる1号ソロを放った。試合には敗れ「空砲」となったが、期待の大砲候補が、本拠地で待望の初アーチをかけた。

0-6の5回1死走者なし、それまでパーフェクトに抑え込まれていた中日柳の初球、外角低め134キロ変化球を完璧に捉え左翼席中段へ運んだ。さっそうとダイヤモンドを周回し、ナインと笑顔でハイタッチ。「チームの流れも悪かったので何とか塁に出ようと思って入りました。しっかりポイントを前にして振ろうと思っていたので、出来ましたね」と振り返った。

20年ドラフト1位で入団。1年目の21年4月4日ソフトバンク戦で和田からプロ1号を放ったが、2年目の昨季は1軍出場なしに終わった。今季は開幕2軍スタートも、5月27日に右外腹斜筋損傷で登録抹消となった中村剛也内野手(39)に代わり、1軍初昇格。翌28日オリックス戦では同点適時打を放ってお立ち台に上がるなど存在感を発揮してきた。

本拠地での1発でファンから大声援を浴び「気持ちよかったですね」とニッコリ。中村の流れをくむ“ぽっちゃり系”として「中村さんのように放物線を打てるように、これからもやっていきたい」とうなずいた。

主軸として起用し続けた松井監督も「ホームランバッターって1発出だけで大きく変わると思います。そういう意味では、いい1発だったと思います」と納得の表情だった。

【動画】渡部健人2年ぶりの一発 ムカイカゼの後押し受け、中村剛也の登場曲で打席へ