日本ハム柳川大晟投手(20)が幼少期からの夢を1つ、かなえた。
大分出身の右腕はソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)の5回から2番手で登板。同郷出身で、あこがれの存在だった今宮とプロ初対戦が実現した。結果は中前打を打たれたが、後続を断った。回またぎとなった6回に1失点を喫したが、今季途中で育成から支配下へ昇格した大型右腕が地元九州での初登板で大きな経験を積んだ。チームは敗れて自力優勝の可能性が再び消えた。
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柳川は無意識に力んだのかもしれない。5回からマウンドに上がり、先頭打者は今宮だった。「ずっと、ちっちゃい時から見ていた人。先頭で来るって分かっていて、試合に入ったら、あんまり考えずに普通に…」。大分出身の大先輩を相手に、いつも通りに腕を振ったつもりだったがフルカウントに。最後は150キロ直球を中前に運ばれた。
15年前の09年夏。まだ幼稚園児だった柳川は、テレビで生中継されていた夏の甲子園にくぎ付けになっていた。「明豊対花巻東戦です」。地元の代表校、明豊を応援している中で心を奪われたのが、今宮の姿だ。「ショートを守っていた今宮さんが途中からマウンドに上がって150キロ台を連発する投球をしていて、めっちゃすごいと思った」。この衝撃が、野球を始めるきっかけとなった。
育成でプロ入り後は、支配下に昇格して今宮と対戦することが目標の1つとなった。プロ3年目で実現したが、その余韻に浸る余裕はまだない。今宮に中前打を浴びた後は、投球動作で右手が太ももに当たってボールを落とす珍しいボークもあった。そんなミスは「初めて」だったが、「その後を抑えられたのでよかった」。6回は代走周東にかき回されたが、今は全ての経験が成長の糧だ。
新庄監督も「育成から上がってきて2イニング投げて、十分じゃないですか。経験してきながら、これからです」と期待値は変わらない。柳川も今後へ向けて「ちゃんと抑えて結果を出していきたい」。あこがれの大先輩のように150キロ台を連発しながら、大投手への階段を上っていく。【木下大輔】
◯…終盤の追い上げ実らず、再び自力優勝の可能性が消滅した。先発した加藤貴が自己ワーストタイの3被弾で4回5失点。打線は4点を追う8回に2点差に迫ったが、及ばなかった。新庄監督は「いい試合でしたけどね。お互い移動試合で。ウチは北海道から遠い福岡。向こうは東京から福岡。この距離の分…2点取れなかったね」と冗談交じりに悔しさを押し殺した。
◯…先発の加藤貴が、自己ワーストタイの1試合3被弾するなど、4回8安打5失点で降板した。初回2死一塁から近藤に右中間へ2ラン、3回にも近藤に2打席連発、4回は甲斐に左中間ソロ。“鬼門”福岡で5度目の3被弾となり「初回から点を取られてしまい試合を作ることができませんでした。移動ゲームでみんな疲れている中、このような投球をしてしまい申し訳ないです」と反省した。
◯…根本が3日ソフトバンク戦で約4カ月ぶりに登板する。前回登板した4月14日オリックス戦は先発して2回3安打4四球3失点と炎上。翌日に2軍降格となった。110日ぶり雪辱マウンドへ「狙いすぎて前回みたいになったら嫌なんで、まずはゾーンで」と思い描いた。みずほペイペイドームは22年3月25日のデビュー戦以来で「2年前は黒土だった気がする。何かちょっと硬くなっていた」と、足元の変化を感じ取っていた。
◯…郡司がプロ5年目で初の2ケタ本塁打を放った。4点を追う4回先頭で、ソフトバンク先発スチュワートの高めストレートを左翼スタンドに放り込み「打った感触は、良かったです」と振り返った。1日オリックス戦(エスコンフィールド)では、同点の9回に自身初の9号サヨナラ弾。2戦連発で節目の10号に到達し“ふたけた郡司”となった。



