広島矢野雅哉内野手(25)が野球人生初のランニング本塁打を記録し、2戦連発で連勝に導いた。2点リードの6回。2死二、三塁からヤクルト・ロドリゲスの真っすぐをコンパクトに振り抜くと、前進守備の中堅頭上を襲った。中堅・増田は背走しながらダイビングキャッチを試みるも届かず「二塁を回ったときにホームへ行けるなと思ったので狙っていました」。白球が転がる間に三塁を狙い、三塁も蹴って、本塁に頭から滑り込んだ。ダイヤモンドを駆け回った躍動感が、チームの勢いを加速させた。
レギュラーの重責と、優勝争いする重圧に押しつぶされそうになったが、はい上がった。8月27日中日戦で自身の失策から決勝点を与え、失策直後の打席では見逃し三振。翌28日の試合前練習中、バント失敗の小園とともに新井監督から直接声をかけられた。「失敗してもいい。こっちは気にしてない。失敗しても、切り替えてプレーしよう」。その言葉で前を向けた。前日に続く貴重な打点で勝利に貢献。新井監督も「すごくいい経験をしている。その中で積極的に走攻守すべての面において攻めていってもらいたい」と目を細めた。
打の殊勲者が矢野なら、投の殊勲者は8回0/3 1失点で自己最多タイ4勝目の玉村だ。13戦連続4番の末包も含め、新井監督と同じドラフト6位入団からはい上がり、チームの貴重な戦力となっている。開幕前の評論家予想は下位だったが、9月に入っても首位を走る。この日の矢野の1発は球団通算8888本塁打。新井広島は、このまま上昇していく。【前原淳】



