「K-1 WORLD GP 2015 〜サバイバルウォーズ〜」(9月22日、東京・後楽園ホール、日刊スポーツ新聞社後援)の、55キロ挑戦者決定戦でチャールズ・ボンジョバーニと対戦するダニエル・ウィリアムスが、インタビューに応じた。

 -4月のK-1 WORLD GP 55キロ初代王座決定トーナメントでは1回戦で瀧谷渉太選手に敗れてしまいましたが、あの試合の感想を聞かせてください

 ウィリアムス ショータのファイトスタイルは自分にとって変則的だった。彼は常に動き回り、それで自分のスタミナをかなり消耗させられたと思う。またショータは近距離まで踏み込んでくるから、KOを狙える攻撃が出しにくかった。ショータの戦い方に恐怖は感じなかったけど、十分なコンビネーションが出せなかった印象が残っている。自分に対していまだに許せないのは、ポイントをリードしていると思った2Rに、3Rのことを考えて体力を温存してしまったことだ。そうしたら3Rにショータの蹴りに捕まってしまった(苦笑)。すぐに立ち直りはしたけれど、ジャッジに対して自分のマイナスを返上するまではいかず、結果として判定負けしてしまった。1回戦で負けたことは非常に残念だけど、あの試合から沢山のことを学べたし、とてもショータのことをリスペクトしている。彼は紳士でテクニシャンなとても強いアスリートだよ。

 -初めてK-1で戦った感想を聞かせてもらえますか?

 ウィリアムス K-1というイベントにはものすごく感心したし、楽しかったよ。今回の経験から学ぶものは大きかったし、ムエタイではなくK-1にフォーカスしたことで自分の新しい課題も見えた。3Rという早い試合展開における戦い方、そして減量方法を考え直すことを感じたし、もっとスタミナをつける必要もあると思った。今は新しく蹴りを取り入れたコンビネーションなど、沢山の試合を見ながら研究している。俺は自分のパワーに自信があるから、テクニックを強化していくつもりだよ。

 -K-1出場後に1試合(WMC世界スーパーバンタム級王座決定戦)を戦ったそうですが、どんな試合内容・結果だったか教えてもらえますか?

 ウィリアムス ルンピニーで活躍するタイ人のトップ選手と戦ったんだけど、それは自分にとっても大きな挑戦だった。試合としては、相手が蹴りを多用してきたので、自分にとってはパンチと肘で圧力をかけやすかった。そして3Rでスピンエルボーで彼の鼻を折ったのが、試合の流れを完全に変えたね。それから彼は後退することが多くなり、自分はパンチと肘のコンビネーションでプレッシャーを与え続けた。それが完全な判定勝ちにつながったよ。WMCの世界王者になった今、次のK-1に完全に集中できている。

 -4月のK-1参戦以降、もう1度K-1で戦いたいと思っていましたか?

 ウィリアムス K-1でまた試合をするチャンスが来ることを希望はしていたけど、それが実現するかどうかは分からなかった。だから試合のオファーを受けて、また東京に戻ってくることが出来ると知ったときは本当にうれしかったよ。その知らせを聞いた時は止めていた車の中にいたんだけど、興奮して車内で叫んだ後、すぐに外に出てそのままシャドーを始めたくらいさ(笑)。

 -今大会では挑戦者決定戦という形でチャールズ・ボンジョバーニと対戦することが決まりました。今回の試合が決まった時の心境を聞かせてください。

 ウィリアムス 彼は世界王者で、この階級で最強クラスのK-1ファイターだと思う。でも自分が目指しているのはナンバーワンなんだ。彼と試合できるチャンスを得ることは自分にとって最高のことだけど、間違いなく自分がタケルと戦うことになる。今戦いたい相手はタケル、他のどの選手も眼中にない。

 -対戦相手のボンジョバーニにはどんな印象を持っていますか?

 ウィリアムス 彼の戦績が素晴らしいことは知っている。自分が見た試合映像も最近のものではなかったので、特に彼のことを研究することもないかな。ただ彼はサウスポーで背も高く、ほっそりした体形なので、身長のアドバンテージが向こうにはあるかもしれない。でもそれは自分にとって全く問題ないよ。彼との試合は距離を詰めKO狙いで行くつもりだ。チャールズは自分がタケルと戦う前のウオームアップにすぎないから、負けることは全く考えていない。

 -55キロ王者・武尊選手のK-1での試合はご覧になりましたか? どんな印象を持っていますか?

 ウィリアムス 彼は完璧な選手で、彼の試合は簡単に相手を倒しているようにさえ見える。スキルもある強い選手だ。そして、相手よりも強く、正確なパンチを繰り出す彼の集中力もすごいと思う。トーナメントに優勝した時、タケルが流した涙は、あのベルトに懸けて来た彼の強い思いと、これまでの厳しいトレーニングを物語っていた。そのタケルに勝つためには、よりハードなトレーニングを積む必要があると感じている。そして必ず自分がK-1のベルトを巻くつもりだ。

 -武尊選手に勝って自分がチャンピオンになる自信はありますか?

 ウィリアムス もちろん。さっき言ったように今一番戦いたい相手はタケルだ。彼は55キロで世界一強いと思う。だけど俺は毎日タケルを倒すことを考えていて、タケルを倒すためにヨーロッパのさまざまなジムでK-1スタイルの戦い方を学んでいる。地元に戻れば、今ヨーロッパで学んでいることをさらに違ったアプローチで磨きをかけ、必ずタケルをKOする。

 -武尊選手は「55キロはK-1で一番軽い階級だけど、一番KOが多くて、激しい階級にしたい」と言っていますが、それについてどう思いますか?

 ウィリアムス 素晴らしいコメントだし、俺も同感だ。俺たちの階級の人気がもっと上がって欲しいね。既にスピードは十分速いし、KO出来るパワーを持った選手も沢山いる。自分自身これからはもっとKO勝利に貪欲になるつもりだし、そのためのパンチテクニックを練習中だ。

 -今回は自分のどんなところを日本のファンに見せたいと思いますか?

 ウィリアムス 日本のファンのみんなには、前回のK-1での試合よりさらにアグレッシブでレベルアップしたところを見て欲しい。すべての試合をKO狙いで行くし、絶対にKO負けもしない。俺は今まで1度もKO負けしたことはないからな。仮にダウンを奪われても俺は必ず立ち上がる。階級なんか関係ない。それがダニエル・ウィリアムスなんだ。

 -最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

 ウィリアムス もし俺がKO勝利できなければ。好きなアイスクリームをファンのみんなにおごってあげるよ(笑)。

 ◆ダニエル・ウィリアムス 1993年6月13日、タイ・チエンラーイ生まれ。国籍はオーストラリア。29戦23勝(14KO)6敗。169センチ。Kao Sok Muay Thai Gym所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。