3冠ヘビー級選手権は、王者・諏訪魔(44)が挑戦者・佐藤耕平(43=フリー)に勝利し、6度目の防衛に成功した。

「馬力もあったし、骨が折れるかと思った」と言うほどの強烈なラリアットを受け、意識が飛びそうになったが、終盤連続バックドロップで逆転。右手を大きく突き上げ、勝利を確信した諏訪魔はラリアットからのバックドロップホールドで沈めた。

同年代の佐藤との対戦を心待ちにしていた。お互いに小細工などせず、1つ1つの技を確かめ合うようにぶつかり合った。「対戦できて良かった。あんなに強い人がいると思ったら、日本のプロレス界も捨てたもんじゃない」とたたえた。

08年に初のベルトを手にし、昨年3月43歳で史上最多7度目の戴冠となり、故・三沢さんや川田の5度を超えた。頂点に立ち続ける今も「3冠は特別な空間。強い相手とやる夢のような時間」とベルトの重みを感じ取りながらリングに立ち、若手にも背中で存在感を見せつける。1月の4度目の防衛戦では、25歳青柳優馬の史上最年少の三冠ヘビー級王座と5冠獲得を阻止。同24日には31歳芦野を26分を超える戦いで退けた。「今年は次世代の若い力が出てくると」と若手の台頭を望みながらも、ベルトを守り続ける闘志と覚悟も見せる。

ファンの前で「これを巻いたのが3月(23日)。1年間王者であり続けたい」と誓う。次期挑戦者に名乗りを上げたヨシタツには現在3連敗中だが「(3連敗は)俺にとっても汚点だ。3冠戦で払拭(ふっしょく)してやる」と受けて立つ意志を見せ、3月中の対戦が濃厚となった。リングでファンと交わした約束は7度目の防衛で必ず守る。【松熊洋介】