日本バンタム級1位沢田京介(33=JBスポーツ)が新王者となった。同級2位大嶋剣心(26=帝拳)と王座を懸けて拳を交え、5回27秒、負傷判定勝利を収めた。

2回に連打からの右フックでダウンを奪うと、偶然のバッティングで3回に右側頭部、4回には右目上をカット。5回開始後にドクターチェックで試合続行不可能となってレフェリーストップ。2-1の負傷判定勝利で、沢田がベルトをつかんだ。

1年以上も空位となっていた日本バンタム級王座ベルトを巻いた沢田は歓喜の涙を流した。「本当にうれしいです。本当にいろいろなことがありすぎて、昨年、今年と結果出せず、ようやく結果を出せて良かったです。実際にベルトを目の前にして感動です。やっとこれが巻けました」。安堵(あんど)の表情を浮かべた。

昨年1月に前王者鈴木悠介(三迫)の引退による返上で空位となっていた日本バンタム級王座。19年10月から挑戦権を保持していた沢田だったが、新型コロナウイルスの拡大で20年4月の試合は中止。昨年5月にも定常育郎(T&T)との王座決定戦がコロナ禍で延期となり、同7月に再セットされた定常との王座決定戦は2回負傷引き分けで新王者になれなかった。さらに11月に再び組まれた再戦による王座決定戦は定常の体調不良、前日計量欠席で試合中止となっていた。

紆余(うよ)曲折を経て、新王者に輝いた沢田は「本当にいろいろな人たちに待たせてしまい、支えていただいた。本当に感謝しています。みなさんのおかげです。今日もちょっと完全に燃え切れない試合になった。もっと精進してベルトを守っていきたいです」と達成感いっぱいの表情を浮かべた。