総合格闘技「修斗」の新潟県在住女子プロ選手、ちびさいKYOKA(24=SAI-GYM)が8日、女子総合格闘技「DEEP JEWELS 37」(東京・後楽園ホール)で再起戦に臨む。ミクロ級(5分×2回)で山崎桃子(29=フリー)と対戦。昨年10月に右足甲の靱帯(じんたい)損傷で手術を受け、約7カ月ぶりの試合になる。昨年6月のプロデビュー後、2戦2敗。ケガの期間にため込んだ力をぶつけて初勝利に結びつける。

スパーリングになると、ちびさいKYOKAの整った顔立ちが一層、引き締まった。1歩も引かずにパンチを繰り出す。「磨いている」という連打を重視して、最後の仕上げに入っている。試合は昨年9月のプロ2戦目、村上彩(フリー)戦以来。再起戦の対戦相手の山崎も20年10月以来の試合とお互いブランクがある。「向こうの戦歴(プロ2勝2敗)が上」とリスペクト。それを踏まえ「打撃戦でしっかり勝ちたい」と勝ち気な面をのぞかせた。

4月に初めて他ジムに出稽古に行った。軽量の女子選手とスパーリングを重ね「刺激になった」と言う。村上に1回タップアウトで敗れた後、右足甲の靱帯損傷が判明。昨年10月に手術を受けた。昨年6月のデビュー戦で古林礼名(GSB多治見)に判定負けしたが、その前から痛みがあった。サンドバッグをたたけるようになったのは今年2月から。3月にスパーリングを再開した。実戦に飢えていた分、吸収しようという気持ちは今まで以上に強い。

「何をしたらいいか整理できてきた」。SAI-GYMの横山朋彦代表(44)は成長を感じている。復帰直後は足が使えない分、必然的に打撃強化が中心になった。打撃、蹴り、組み技と総合格闘技はさまざまな攻防がある。これまではすべてを消化しようと懸命になり、自身の形を作れずにいた。今はケガの影響をプラスにし、打撃を軸にする形ができつつある。

プロ2戦2敗の上、負傷による長期離脱。落ち込んだ時期もあった。それでも再起を決断。「応援してくれる声がたくさんあった」。インスタグラムには全国からメッセージが届いた。負傷中はSAI-GYMのメンバーが車で道場へ送り迎えをしてくれた。周囲への感謝は最大の力。「自分のスタイルで勝つ。期待に応えたい」。プロ初勝利へ、テンションは上がる。【斎藤慎一郎】

◆ちびさいKYOKA(本名・皆川杏佳=みながわ・きょうか)1997年(平9)7月1日生まれ、燕市出身。吉田中では家庭科部。中学卒業前にSAI-GYMに入門。西川竹園高でもジム通いを続け、修斗とブラジリアン柔術に取り組む。18年、柔術のイサミ-リバーサルサマーカップアダルト白帯ルースター級で優勝。現在は青帯。修斗では19年の越後風神祭に出場。21年1月に修斗のプロ資格取得。憧れの女子格闘家は浅倉カンナ(パラエストラ松戸)。146センチ、42キロ。血液型O。