新十両で西１３枚目の矢後（２３＝尾車）の関取初白星は、お預けとなった。

　西十両１２枚目の青狼（２９＝錣山）と対戦。五分の立ち合いから左をこじ入れ、前まわしを引いた。右のおっつけで攻勢に出て勝負を決めたかったが、粘られた上に頭をつけられ左半身の苦しい体勢にさせられた。勝機をうかがえないまま、土俵中央で我慢比べ。その後、一度はまわしを切り突き放したが再度、食い下がられた。１分を超す長い相撲で徐々に腰が高くなり、そこをつけ込まれ圧力をかけられた。最後は寄り切りで土俵を割り、勢い余って土俵下まで落ちた。

　「なかなか、うまくいかなかったです」と最初に、もどかしさを口にした。思い描いたのは「突き放すイメージ」だったが「まわしを取られて、ずっと苦しい状況で駄目だった」と振り返った。

　気持ちで守りに入ったわけでなく、我慢比べで精神的に切れたわけでもない。そんな中で敗因を「大事に行こうと思いすぎた。（相手を土俵際に詰めた）あそこが一番の勝機だった」と分析。「気持ちを切らさずに前向きに」と、３日目以降の巻き返しを誓った。