横綱白鵬(33=宮城野)が5日、東京・両国の時津風部屋で出稽古した。

時津風部屋にはこの日、“他流試合”を求め一門の枠を超えた関取衆が出稽古に集結。白鵬を筆頭に、豪栄道(32=境川)、高安(28=田子ノ浦)の両大関に関脇逸ノ城(25=湊)と、関脇以上の役力士8人中、4人が集まった。先月29日から日参している西前頭5枚目の朝乃山(24=高砂)、新入幕で東前頭14枚目の隆の勝(23=千賀ノ浦)らも土俵でしのぎを削った。

関取衆のしんがりで土俵に上がった白鵬は、平幕上位の正代(26=時津風)、豊山(24=同)と各5番、隆の勝とは4番取って14戦全勝。立ち合いから終始、厳しい攻めで気迫たっぷりの稽古だった。

その後、関取衆のぶつかり稽古中に、隆の勝を直々に指名。8分間のぶつかり稽古でたっぷりとかわいがった。

期待すればこその指名で「(新入幕のお祝いの)プレゼントだね」とニンマリ。力の差は歴然で「まだまだ」と言いつつ「幕内の土俵は(十両とは)全然、違うからね」と“幕内の壁”を肌で感じさせた。

一方の隆の勝は「横綱は当たっても動かなかった。気迫というか、横綱を前にしただけで自分が後ろに下がっちゃうぐらい、前からの気迫がすごい」と舌を巻いていた。ぶつかり稽古の途中、白鵬から叱咤(しった)激励の「ほら、三賞だ!」と声をかけられ。新入幕会見で隆の勝が「勝ち越しはもちろん三賞を狙いたい」と語った抱負の2文字。「横綱も知ってたんですね。ありがたいです。自信にもなりました」と充実した表情で引き揚げていた。