大相撲名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)の初日を翌日に控えた6日、同所で恒例の土俵祭りが行われた。休場した大関貴景勝をのぞく、三役以上の力士全員が出席。新三役の小結阿炎(25=錣山)、竜電(28=高田川)は初参加となった。

5月の夏場所を休場した横綱白鵬(34=宮城野)は、43度目の優勝に向けて初日は阿炎と対戦する。初対戦の昨年夏場所では金星を献上しただけに「ちょうど1年前だね。借りを返したいね」と、リベンジに燃えていた。その阿炎は「(相手は)気にしない。誰でもいい。どうせ当たるから」と全く動じていない。「相撲を取っていて(相手が)怖いと思ったことはない。負けるつもりはない」。不安は初日に行われる恒例の協会あいさつ。八角理事長(元横綱北勝海)と三役以上の力士が土俵に上がるため、阿炎にとっては初参加となる。角界屈指の人気者は「緊張する。みんなと逆の方向を向いたらどうしよう」とおどけてみせた。

昨年の名古屋場所で初優勝を果たした関脇御嶽海(26=出羽海)は、連覇で大関とりの足がかりをつくる。「もう1年たったかな。早かったし長かった」。昨年秋場所以来、4場所ぶりに関脇復帰。昭和以降では単独2位の15場所連続の三役在位となったが、裏を返せば大関昇進に足踏みしている現状だ。「この名古屋で昨年優勝して(大関とりの)チャンスをもらった。今年も名古屋で優勝してチャンスをつかみたい」と意欲を見せる。力士を指定する懸賞数では約150本でトップ。長野県出身で、準ご当所となる名古屋で期待を集める大関候補は「ありがたい。懸けてくれた人の気持ちに応えられるようにしたい」と意気込んだ。

【佐藤礼征】