1月の初場所で史上2度目の幕尻優勝を果たした西前頭2枚目徳勝龍(33=木瀬)は、上位総当たりの場所を4勝11敗で終えた。千秋楽は西前頭7枚目玉鷲の突きを堪えて左をのぞかせたが、相手の強力なのど輪に耐えきれず、押し出しで敗れた。

記録ずくめの初優勝から2カ月。場所前から注目を浴び続けた。「注目をされているとかプレッシャーを感じる必要はないが、なかなか勝たせてもらえなかった。まだ甘い。気持ちが弱かった」。

2桁黒星の中でも、見せ場はつくった。初日から5連敗で迎えた6日目、横綱鶴竜から自身初の金星を挙げた。年6場所制となった58年(昭33)以降に初土俵を踏んだ力士では史上3位の年長記録。「金星は良かった」と振り返りながら「終わったら褒められた成績じゃない」と、自己評価はただただ厳しかった。

来場所は幕内中位~下位の番付で出直しとなる見通しだ。自己最高位の場所で苦しんだ33歳は「明日からではなく、今日から気持ちを切り替えていかないといけない」と、リベンジに燃えていた。【佐藤礼征】