全勝の横綱照ノ富士をピタリと1差で追う、大関貴景勝(25=常盤山)と西前頭15枚目の阿炎(27=錣山)が、13日目に激突することになった。日本相撲協会の八角理事長も「お互いに離れて取る相撲だから、何が起きるか分からない。期待できると思いますよ」と好取組になることを期待した。

この日は、まず阿炎が押し相撲で幕内優勝の経験もある玉鷲(37=片男波)を突き出した。やや立ち遅れたか、土俵際まで押し込まれたが前傾姿勢は崩れず、逆に回転のいい突き押しで逆に電車道へ。右のど輪でのけ反らせ、相手の腹を押すように突き出した。連日、阿炎の迷いのない相撲を評価している八角理事長は、この日も「押されても押し返すんだという気持ち。いなすとか要領よくとか全く考えていない。とにかく苦労して苦労して押し勝つんだ、という精神的な強さ。成長している」と褒めた。貴景勝戦については「今まで通りと一緒でいいでしょう。とにかく自分の力を試すんだというね。お互いに離れて取る相撲だから、何が起きるか分からない」と期待した。

一方の貴景勝は、高安(31=田子ノ浦)に立ち合いで顔を張られ、逆に張り手で応戦するシーンも。最後は右からいなして高安の体を横向きにさせて送り出した。張ったシーンについて「カッと熱くなった。もっと冷静に行った方がいい。お互いに体をぶつけ合う競技だから、これぐらいの闘志があってもいいけど(そんな中でも)冷静にね」と述べた。阿炎戦についても「冷静に、でしょう。(阿炎は)まともに来るだろうけど、ただ昔の(阿炎の引く)イメージがあると出足が鈍るかもしれない」と、大関の心理を読み解くように語っていた。

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