数カ月前、突然の終了をむかえた「芸能デスク日誌」(=その日の芸能面責任デスクが業務終了までに書くシステム)だが、そのコーナーで「Hデスク」と称し、9割以上「どうでもいい話」を書いていた筆者が「もう、責任デスクをした日にコラム的文章を書くのは正直しんどい」とゴネたことが原因で打ちきりにつながったと巷間ささやかれているらしい。


最近、読むのがめんどくさくてメールをあまり開かなくなったが「ハックしている」との文字には思わず開いてしまった
最近、読むのがめんどくさくてメールをあまり開かなくなったが「ハックしている」との文字には思わず開いてしまった

真相はさておき、とにかくこの数カ月、身長193センチで“歩く上から目線”と称されるY山記者(※本人は「ボクは常に”下から”です」と強調)から「加齢により、創作的原稿を書く能力が衰えたことを隠すため、あなたは表現活動の場から逃げるんですか。はっきり言って、しょっぱいよ」とバッシングされ続け、元文化社会部で現スポーツ部のM尾記者からも電話で「先輩、日誌をやめる気ですか。『Hデスク日誌』は、恐らく全国で3人以下しか楽しみにしていた人がいなかったですけど、その人たちのために書き続けなきゃダメですよ」と意味不明のダメ出しをされるなど、いよいよ筆者の社内的立場が危うくなってきたことなどがきっかけで、誰からも求められていないことを重々承知しつつ、今月から筆者のみ「復活Hデスク日誌『こちら裏・文化社会部』」として勝手に“復活”することにした。

ただ、当日誌は、そういった事情をはらんでいるため、1983年にわずか3カ月で打ち切りとなった伝説的短命バラエティー番組「笑ってポン!」(TBS系)並みの早さで“スピード終了”する可能性が常に漂っていることだけは強調しておきたい(※ちなみに後継番組的な「たけしのお笑いサドンデス」は約8カ月で終了)。

さて、そんなこんなで日誌を書き始めようと思ったところ、わがスマホに突如「私はあなたのアカウントをハックしている」という趣旨の件名のメールが2通届いた。どうせ架空請求詐欺みたいなメールだろう…とボヤきつつも、「こんにちは!」と明るく礼儀正しく始まる書き出しだったためつい読んでしまったのだ。

なかなか”ひきつける”力がある文章で、2通ともだいたい同じ内容だった。「私は国際的なハッカーグループの一員です」といきなり分かりやすく、高らかに宣言。そして「あなたのアカウントはハッキングされました」とある。差出人のアドレスは筆者のメルアドになっていたから、確かにハッキングされたっぽく感じなくもない。


「国際的なハッカーグループの一員です」と言われても「そうですか」としか言いようがない
「国際的なハッカーグループの一員です」と言われても「そうですか」としか言いようがない

ごちゃごちゃとネット系専門用語を駆使して説得力を高め、ハッキングしたことを長々とアピールしているのだが、要は筆者がアダルトサイトにアクセスしてウイルスに感染したことをきっかけに、ハッキングに成功したと主張。筆者のSNSやメールやメッセンジャーなどすべての通信ツールにアクセスできるようになったばかりか、なぜか筆者が所有するウェブカメラを自在にコントロールして、筆者の日常動向を記録したビデオだけでなく、筆者がネット上で見ていたというアダルトビデオの映像を入手しているなどとも、具体的に主張しているのだ。

ついには「私が発見した最も興味深い瞬間は、あなたのマスターベーションのビデオ記録です」とまで書かれていたから、ええい、やかましいわ!の世界である。

芸能デスクをやっていると、芸能関係者からの常軌を逸したクレームはしょっちゅうで、個人的にはネタの扱いなどをめぐり「出刃包丁を持って30分後に行く」と”殺害予告”を受け失禁寸前に追い込まれたこともあり、さまざまなパターンの脅迫にはほぼ心が動かなくなっていたが、「ハッキングした」との”脅迫”には妙に全身が凍りつき、文化社会部のデスク席で「ひぃ~っ」と恐怖のうめき声を上げたことは言うまでもない。

要求もなかなか、今の時代っぽい。48時間以内にビットコインで550ドルを支払えというのだ。仮想通貨での詐取を狙っているとみられるが、支払わない場合、筆者の友人、親戚、親しい人、同僚ら「すべての連絡先」にその種のビデオを送り付けるという。

そもそも、アイドルでもあるまいし、筆者が自宅の部屋の中でニヤニヤしながらお笑い番組を見ているような日常映像をウェブカメラをコントロールされて撮影されていたとして、それを知人にバラまかれたとしても、100人中100人は、筆者の不気味この上ない笑顔の動画が映った直後、3秒以内にそのビデオを見るのを確実にやめるであろうから、そもそも脅迫が成り立たない。また筆者が見ていたという「アダルトビデオの映像」が仮にあったとしても、送り付けられた知人からすれば、「だから何?」以外のリアクションをしようもないだろう。


ビットコインで要求する新種の手口か…
ビットコインで要求する新種の手口か…

新手の架空請求的なものだとは思うが、その後も同一と思われる勢力から続きの脅迫メールが続々届いており、「国際的ハッカーグループ」を名乗る勢力からの標的にされ、本当に私的映像や動画データをハックされている可能性もゼロではないかもしれない。

などといろいろ想像をめぐらせていたのだが、よく考えたらさっき、指定された「メッセージを読んでから48時間」というタイムリミットがあっさり過ぎてしまっていたことに気づいた。つまりもう、ビットコインで要求額(550ドル)を支払っても時すでに遅し、というわけだ。

そんなこんなで今後、筆者に関するわけのわからない映像などがばらまかれたり、パソコン内部のデータを破壊されるなどし、復活しようとしたはずの当「Hデスク日誌」も、国際的ハッカーグループにより“瞬間終了”するかもしれないが、その時はその時か。

【文化社会部・Hデスク】