大阪市北区のカンテレは7日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年で55回目を数える「上方漫才大賞」(11日午後3時=関西ローカル)の生放送を中止すると発表した。それにともなって、奨励賞と新人賞の選考が初めて取りやめられる。

11日の放送では、大賞受賞者の発表に加えて、若手、中堅漫才師のネタや同賞の歴史映像などを放送し、大会史上初の「特別な形」で番組を展開するという。

02年の第37回から毎年司会を務めている大平サブロー(64)は「今年は中止になってもおかしくなかったのに、行われたことがすごいと今、改めて思います」と感心。「5年先10年先に、『上方漫才大賞がそれだけ世間に認知されている賞だった、歴史の分だけ分厚さがあった』ということの証明として歴史に刻まれるのではないかと思います」と力強くアピールした。

大阪・オリックス劇場からの生放送中止にともなって、奨励賞、新人賞の選考が初めて取りやめとなった。事前の審査会で奨励賞候補に選ばれていたアインシュタイン、アキナ、見取り図、ギャロップ、令和喜多みな実、新人賞候補だったからし蓮根、さや香、たくろう、ネイビーズアフロ、ラニーノーズ、風穴あけるズ、エンペラーら12組がネタを放送する。

さらに、特別企画として、同賞の歴史を貴重映像で振り返る。横山やすし・西川きよしの懐かしの漫才について、西川きよし(73)へのインタビューや、第21回大賞受賞者のサブローが当時の心境を明かしたりする内容となっている。

同賞は66年にスタート。かしまし娘、中田ダイマル・ラケット、夢路いとし・喜味こいし、横山やすし・西川きよし、オール阪神・巨人、ダウンタウン、トミーズらが大賞を受賞してきた。