時代小説家の今村翔吾氏(35)が25日に新刊「じんかん」(講談社)を出版した。斎藤道三、北条早雲と並び「戦国時代の三悪人」と呼ばれた武将、松永久秀の一生を描いている。「お前は戦国一の極悪人か、それとも時代が求めたヒーローなのか?」がテーマの長編だ。

今村氏は今年3月に「八本目の槍」(新潮社)で「第41回吉川英治文学新人賞」を受賞したばかり。今、最ものっている時代小説家の新鋭だ。

松永久秀は室町時代末期から戦国時代にかけて活躍。織田信長に従ったが、謀反を起こして最期は大和の国の居城・信貴山城に立てこもって、名器と言われた茶釜・平蜘蛛を抱いて爆死したと伝えられている。

今村氏は「書いているうちにボリュームが増えて分厚い本になってしまいました。出版社の方で『100万部突破キャンペーン』をやってもらっていますので、乗っかっていきたいです」と話している。