役者陣からつっこまれる足立紳監督の「人間的魅力」

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

映画「喜劇 愛妻物語」の公開記念舞台あいさつを取材した。役者陣からつっこまれ続ける足立紳監督(47)が、じわじわと面白かった。

同作は売れない脚本家の豪太(浜田岳)とその妻チカ(水川あさみ)、幼い娘のアキ(新津ちせ)が繰り広げる香川旅行の珍道中を描く。あまりのダメさ加減から豪太は常にチカの罵声を浴びているが、豪太のキャラクターは足立監督自身がベースになっている。

豪太を演じた浜田は「監督がこんな人柄なので、毎日笑いが絶えない」と撮影を回想。香川ロケでは監督が理想とする電車の通過シーンを撮るため炎天下で長時間待たされたというが、「ふとした瞬間に監督が『やっぱいらない』って言い始めて」とまさかの方針転換があったという。監督いわく、あまりの暑さにくじけたといい「監督らしいことをしようと思って、そんなに大して欲しくもない電車を狙った。言わなけりゃよかった」。ここまであけすけに言われると、思わず笑ってしまう。浜田も憤った出来事としてではなく、「おもしろエピソード」として話していた。

親しみやすさ? は年齢問わず浸透しているようで、イベントでは10歳の新津からも厳しい切り返しを受けていた。新津が「“旅行”のように初めての香川を楽しんだ」と撮影の思い出を振り返ると、「でも勉強道具も持ってきてましたよね? 2問くらい教えた記憶がある」と監督。フォローのつもりで話しかけたが、新津からは「教えられてないです」ときっぱり否定されていた。よかれと思って言ったことが裏目に出た感じがたまらなく面白く、水川の「うそつかないでください」というダメ押しがまた笑いを生んでいた。

浜田も水川も、監督からにじみ出る哀愁やツッコミどころ満載の人柄に終始笑いが止まらないといった感じで、会場にもそれが連鎖していた。ダメ感は漂うが決して嫌われない、むしろそれが味として愛される。方々からやり込められる監督を眺めつつ、「人間的魅力」ってこういうことを言うのか…と考えていた。